『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

81話 2兆の使い道。


 81話 2兆の使い道。

(ロコにつけば、俺も抹殺対象になりうる……というか、アギトの視点だと、ここで降参しないようなバカは、たいがい鬱陶しいから、確実に始末しようとするだろう……ロコについているのは、メリットがなさすぎる)

 事実を理解しようと必死。
 自分に言い聞かせていく。

 現状。
 原理。

(2兆はエグい……ハンパない。それだけあれば、全部手に入る。他のやつでは、使い道がないだろうが、俺には闇市がある)

 アギトが『2兆』という金額を提示した理由は、もう一つある。
 それは、
 『一般人では使い道がない』というもの。

 当たり前だが、普通のマーケットで、2兆円を必要とする場などない。
 家、酒、車、女。
 『利己的な贅沢』に使おうとしても、使い切れる額じゃない。
 実際のところ『50億』も使えば『一生分の贅沢』が終わる。

 『欲に限界はない』と言うが、
 実際のところ『壊れていない限り、欲にも限界はある』のだ。
 『ホメオスタシス(肉体が求める現状維持)』が正常に働けば、
 食欲も性欲も、一定のところで制御がかかる。

 もちろん、生理に逆らって、
 『ありえないほどの無茶』をしようとすれば、
 どうにか出来るかもしれない。

 文字通り歴史通りの『酒池肉林』を実行しようとすれば、
 それだけの金を使いきることも、不可能ではないかもしれない。

 だが、『立場』があればそれも不可能。
 『権威』ではなく『立場』だけを有する者ならば、
 酒池肉林など出来るわけがない。

 だからこその地位。
 アギトがゲンに金とセットで『高い地位』を与えようとしているのは、
 ノブレス・オブリージュという名の首輪をはめようとしていることに他ならない。

 結局のところ『立場を鑑みた上』で『莫大な大金』を使おうとすれば、
 『経済』という『土台』に対してアプローチするしか手がなくなる。

 『市場』への投資。
 『公共事業』への着手。

 つまりは、結局のところ『全宮家』に還元されるということ。


 ――本来であれば『市場で金を動かすだけの装置』になるしかないが、
 しかし、ゲンには闇市がある。

 限りなく貪欲に『最果て』を求めることができる裏のマーケット。

 最果てを求めるゲンにとって、金はいくらあっても足りない。
 正直『数百億程度』ではまったく足りないのだ。

(2兆あれば、きっと、下地が手にはいる。すさまじい強さを手に入れることができるだろう。おそらく、その力をもとにして、もっと金を増やすことができる。金は金のあるところに、力は力のあるところに集まる。……絶対の強さは、さらなる強さを求めるための下地となって、俺の器になってくれる)

 2兆円の魅力ははかりしれない。
 ここでアギトの手を取れば、
 ゲンは望む全てを手に入れられる。

(アギトを選べば……俺は全てを手に入れる。欲しかったもの全部が……この手に……)

 『当たり前の欲』がゲンの中でうずまく。
 数値の魔力。
 2兆という、エゲつない数字は、
 見事に、ゲンの心をかき乱した。

 『普通』であれば、
 ここで、アギトを選択するだろう。

 常識的に考えれば、誰だって、ここはアギト一択。


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