『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……
54話 人間の業。
54話 人間の業。
毒組局長ソウルさんと黒組局長ダギー。
両者の会話を聞きつつ、
ゲンは、心の中で、
(……まったく気配を感じることが出来なかった……)
冷や汗を流しながら、そうつぶやいた。
(あのダギーってやつがその気になれば、俺は、接近に気づくこともなく、三回殺される……つまり、俺は、この場において、クソの役にも立たないってこと……)
ソウルさんなら、当然感知できるだろう。
オキでも、ヒジカでも、
ダギーの接近に気づくくらいはできるはず。
自分だけが、この場で、なんの役にも立たないゴミ。
ゲンはギリっと奥歯をかみしめて、
(……もちろん、わかってはいた……努力は積んできたが、今の俺では、幼すぎて、まだまだ役には立たないってこと……)
敵が『遊んで』くれない限り、
『盾にもなれない』ただの雑魚。
それが、現時点におけるゲンの立ち位置。
ゲンが己の弱さに対して怒りを感じていると、
その向こうで、ダギーが、
ニタっと黒く笑って、
「覚悟しておいた方がいいぞ、ソウル。お前は、この大事な場に、使えないガキを連れてきた……ハッキリ言って、ナメてるよ、お前。仮に、内心ではそうでなかったとしても、ナメているとしか思えない行動をとったというのは事実で、そして、それは大問題だ」
「覚悟なら出来ていると言っている」
「ははは、かっこいいねぇ、いつも、いつも。けど、お前がいくらカッコつけたところで、事態は何も好転しない。見届けさせてもらうぜ、お前の転落っぷり」
そう言って、ダギーはソウルさんに背を向けて去っていった。
その背中を見送りつつ、
ゲンが、
「あのダギーという人は……悪い人っぽいですね」
「根はそこまで悪いヤツではないんだがな。面倒見はいいし、リーダーとしての器も大きい。ただ『自己評価が低い』という難点があってな……」
(……自己評価が低い……か。その資質は、『それだけ』なら特に迷惑な話ではないが……)
と、ゲンが思ったと同時、
ソウルさんが、続けて、
「……『それだけ』なら問題はないんだが、『自分より才能があると認定した人間に対して過剰に嫉妬心をむき出しにする』という性質がセットになっているという点が問題なんだ」
(そう、それが問題。いつだって、自己評価の低さは、他者への嫉妬につながる可能性がある)
『人』という種の弱さ、醜さ、面倒くささ。
嫉妬という非生産性極まりないクソ以下の業。
「ダギーと私を比べれば、ギリギリ、私の方が『下』になる。あいつも天才だ。勤勉で天才。本来ならば文句のつけようもない超人」
ソウルさんの話を聞いて、ゲンは心底驚いた。
ダギーも相当強いのだろうとは思っていたが、
ソウルさんより強いとは思っていなかった。
「……なのだが……ダギーは、無駄に自己評価が低いせいで、『自分よりも、ソウル・フォースの方が上だ』と認識してしまっている」
ようするには誤認をしている。
『才能のあるなし』と『感情の処理の上手い下手』は、
必ずしも比例するものではない。
毒組局長ソウルさんと黒組局長ダギー。
両者の会話を聞きつつ、
ゲンは、心の中で、
(……まったく気配を感じることが出来なかった……)
冷や汗を流しながら、そうつぶやいた。
(あのダギーってやつがその気になれば、俺は、接近に気づくこともなく、三回殺される……つまり、俺は、この場において、クソの役にも立たないってこと……)
ソウルさんなら、当然感知できるだろう。
オキでも、ヒジカでも、
ダギーの接近に気づくくらいはできるはず。
自分だけが、この場で、なんの役にも立たないゴミ。
ゲンはギリっと奥歯をかみしめて、
(……もちろん、わかってはいた……努力は積んできたが、今の俺では、幼すぎて、まだまだ役には立たないってこと……)
敵が『遊んで』くれない限り、
『盾にもなれない』ただの雑魚。
それが、現時点におけるゲンの立ち位置。
ゲンが己の弱さに対して怒りを感じていると、
その向こうで、ダギーが、
ニタっと黒く笑って、
「覚悟しておいた方がいいぞ、ソウル。お前は、この大事な場に、使えないガキを連れてきた……ハッキリ言って、ナメてるよ、お前。仮に、内心ではそうでなかったとしても、ナメているとしか思えない行動をとったというのは事実で、そして、それは大問題だ」
「覚悟なら出来ていると言っている」
「ははは、かっこいいねぇ、いつも、いつも。けど、お前がいくらカッコつけたところで、事態は何も好転しない。見届けさせてもらうぜ、お前の転落っぷり」
そう言って、ダギーはソウルさんに背を向けて去っていった。
その背中を見送りつつ、
ゲンが、
「あのダギーという人は……悪い人っぽいですね」
「根はそこまで悪いヤツではないんだがな。面倒見はいいし、リーダーとしての器も大きい。ただ『自己評価が低い』という難点があってな……」
(……自己評価が低い……か。その資質は、『それだけ』なら特に迷惑な話ではないが……)
と、ゲンが思ったと同時、
ソウルさんが、続けて、
「……『それだけ』なら問題はないんだが、『自分より才能があると認定した人間に対して過剰に嫉妬心をむき出しにする』という性質がセットになっているという点が問題なんだ」
(そう、それが問題。いつだって、自己評価の低さは、他者への嫉妬につながる可能性がある)
『人』という種の弱さ、醜さ、面倒くささ。
嫉妬という非生産性極まりないクソ以下の業。
「ダギーと私を比べれば、ギリギリ、私の方が『下』になる。あいつも天才だ。勤勉で天才。本来ならば文句のつけようもない超人」
ソウルさんの話を聞いて、ゲンは心底驚いた。
ダギーも相当強いのだろうとは思っていたが、
ソウルさんより強いとは思っていなかった。
「……なのだが……ダギーは、無駄に自己評価が低いせいで、『自分よりも、ソウル・フォースの方が上だ』と認識してしまっている」
ようするには誤認をしている。
『才能のあるなし』と『感情の処理の上手い下手』は、
必ずしも比例するものではない。
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