『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

44 世界最強。

 44 世界最強。

「狂気の表情。鋭い目つき。断固たる決意を感じる。……『それほどの想い』をぶつけられたこと……うれしくないと言えばうそになる。しかし、それは感情の話。今のあたしは、感情の置き場など求めていない」

 ロコは、たんたんと、
 ゲンに対して、ある種、真摯に、

「……『遊び相手』は必要としていない。足手まといやお荷物もいらない。あたしが望んでいるのは使える手ゴマ。というわけで……『今のあなた』は必要ない」

 ハッキリと、
 そう言い捨てられたゲン。
 しかし、ゲンはまったく変わらない瞳のまま、
 『んんっ』と、喉を整えて、
 より強い瞳で、ロコを見つめ、

「でしょうね」

 少しだけ冷静になった声。
 冷静にならざるをえなかったから、強制的に脳が冷えたのだ。

 エンジンがフル稼働する。
 ゲンの全てが強い熱で包まれる。

「今の俺が、あなたに求められるとは思っていません」

 理知的なその発言を受けて、
 ロコはより真摯な態度で、

「というと?」

 ロコからの問いに対し、
 ゲンは、呼吸を整え、良質な間をとってから、

「俺が聞きたいのは一つ」

 沸騰していた頭が、極端なほど冷静になる。
 情動の乱高下。
 ゲンの脳みそがギンギンと音を立てて回転している。

 想いを果たすため、
 衝動ではなく、
 狡猾な計算式で、言葉を構築していく。

「どの領域に立てば……俺を認めていただけますか?」

 ゲンの発言を受けて、
 ロコはキュっと目に力を込めた。

(獰猛な決意……そして『どれほど困難な道であれ、必ず切り開いてみせる』という覚悟の意志)

 ロコは、心の中で、

(その想い……本物か否か……今、この瞬間に判断できるものではない)

 ゲンを測ろうとして――やめた。

 ロコという美少女は『たぐいまれな資質を持つ特別な人間』だが、
 当然、『他人を完全に見通せる目』は持っていない。

 ゆえに、
 ゲンから、

「どの領域にまで至れば認めてもらえるのか……その具体的な基準をお聞かせいただきたい」

 そう尋ねてこられた際に、
 間髪入れず、
 ――本音を答えた。

「完全院リライトを殺せる者」

 その大胆が過ぎる発言を受けて、
 ゲン以外の三人が同時に顔を青くした。

 『自分たちの主人(ロコ)』がイカれていることは知っていたが、
 まさか、ここまで、本格的にラリっているとは思わなかった。

 あの発言は、決して冗談でもハッタリでもない。
 ロコの目を見ればわかった。
 ロコは本気で言っている。

 ――彼女は、本気で、完全院リライトの命を狙っている。


「あたしが望んでいる『剣』は、完全院リライトを殺せる一振り……それのみ」

「……」

 ゲンは、いまだ、まっすぐにロコの目を見つめている。
 その瞳には、わずかも揺らぎが生じていない。

(……全宮ロコがもとめているのは……この世界の頂点、エリアAの支配者である最強の個――『完全院リライト』を殺せる力……)

 ゲンは必死になって演算する。
 理由なんて求めない。
 それがロコの望みなら、ただ全力で叶えるのみ。

 よって、一心不乱。
 何をどうすれば、その無茶を通せるか。
 必死になって考える。

(ようするに、世界最強になるってこと……)

 かみ砕いて、整理して、
 結果、

(――やってやる――)


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