『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

38話 『ソウル・フォース』VS『ギルティブラッドのルス』

 38話 『ソウル・フォース』VS『ギルティブラッドのルス』

「自分の身は自分で守らせる……とかなんとか言っていなかったか?」
「ピンチになっても助けない……とも言っていませんでしたか?」

「確かに言ったな……で? それがどうした?」

 あまりにもまっすぐなその言葉を受けて、
 ヒジカはため息をつき、

「まあ、好きにしてくれりゃいいんだけどよぉ」

 と、呆れ交じりにそうつぶやいた。

 ソウルさんは、
 切られた腕からあふれる血をオーラで止血しつつ、
 ルスの目をジっとにらみつけ、

「いやぁ……しかし、私の腕を飛ばすとは、なかなかの腕前……おそらく、お前、絶死を積む前から、それなりの腕だったのだろう?」

「まぁねぇ! これでも、五年くらい前までは、罪帝(つみかど)の特殊部隊で『隊長クラス』を経験したこともあるんでねぇ!」

 エリアCの支配者『罪帝家』。
 完全院や全宮と比べると、規模の面で、少し劣る印象があるが、
 個人での実力者が多い事と、頭のおかしさが際立っていることで有名な五大家の異端。

「――そいつは、なかなかの経歴だな。というか、肩書だけで言えば、私と同等ではないか。……それほどの男が、どうして、こうなるかね」

「げはは、いろいろあってねぇ。こちとら、生まれた時から、それなりに歪んじゃいたが、必死で自分を律しつつ、罪帝の剣として頑張っていたんだが……直属の上司が完全院とトラブったり、もろもろの責任を押し付けられたり、なんだかんだ、すったもんだあった結果、まあ、ご覧の有様って感じに仕上がったわけよ」

 人に歴史あり。
 どんな人間でも、そこまでに至った経緯がある。
 10年、20年、30年。
 それだけの時間を過ごせば、誰にだって重みは生じる。
 それが命。
 生きるということ。

 ルスの話を聞いて、ソウルさんは、

「他人事ではないな……」

 つぶやきつつ、

「――剣気ランク9」

 魔法を使い、剣の火力を爆発的に高め、

「――魔斬ランク10」

 さらに、魔法でブーストをかけた剣技を放つ。


「あんた、いいなぁ! なんだか、とっても、輝いているなぁ!」


 ルスは、嬉しそうに叫びながら、
 ソウルさんの懐に飛び込んでいく。
 その際、
 ルスは腕を犠牲にした。
 左腕を断たせて、ソウルさんの喉元に食い込む。


「ぐぅうう!」


 ズパァァ!
 と、激しい音。
 ソウルさんの首から大量の血が噴き出る。

「反射神経も最高ぉ! あっちのイケメン二人も、ハンパなく強かったが……あんたが一番強いなぁああ! 俺じゃ届かなかった領域にいるよ、あんた! いいねぇ、天才ってのは! あんたほど強かったら、俺の人生も何かかわったのかねぇ! いや、かわんねぇか! そういうレベルの問題じゃなかったからなぁ! げはははははははは!」

 片腕が飛んだ同士、
 激しい剣戟が繰り広げられる。

 火花が舞う。
 命の華が咲き誇る。

 闘いの中で、ソウルさんは、ボソっと、

「――自分に才能がないとは思わないが……才能の質で言えば、ヒジカとオキの方が私よりもはるかに上だ」

「そうなのかい?! あんたの方が上に思えるがなぁ!」

「今の私は、私の人生史上最もカッコつけているからな。本当なら、腕が飛んで死ぬほど痛かった。ここにいるのがお前と私だけなら、おそらく、泣いていただろう」



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