『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

73話 エゲつない搦め手。

 73話 エゲつない搦め手。

(と、とにかく、血を……)

 なんとか、オーラで止血をして、

(損傷が大きい……自己治癒能力を高めるだけでは回復しきれない……っ)

 即座に、ゴミスは、アイテムボックスに顔をつっこむ。
 ……急いでボックスに保管してある『回復のアイテム』を咥えようとするが、
 しかし、

「ふぁっっ?! なっ! なんでっ! か、からっぽぉお?!」

 ゴミスのアイテムボックスは、からっぽで、アイテムは何一つ収納されていなかった。

 回復系のアイテムをアイテムボックスに常備しておくのは基本中の基本。
 特に、ゴミスのように、自身で回復系等のスキルを会得できなかったものは、アイテムボックス内の半分以上を回復系で埋めておくのが必然。

 ――前提として、ゴミスは、アイテム管理でミスを犯すほどのバカではない。
 つまりは、間違いなく、アイテムボックスには、高位の回復アイテムを用意してあった。

 しかし、なくなっている。

 回復アイテムどころか、
 アイテムボックスにしまってあったものがすべてなくなっている。

 困惑しているゴミスに、
 ドナが、気品のある優雅な声音で、

「当然、盗らせてもらった。ダメじゃないか。盗賊でもある私の前でアイテムボックスにプロテクトの一つもかけないなんて。盗られても文句は言えないぞ」

 拷問管や暗殺者や盗賊やシノビなど、闇に属する職業の大半を習得している暗部のスーパースペシャリスト。
 奇術師やメンタリストなどといった職業も修めており、敵の心を折らせたら右に出る者はほとんどいない、搦め手の妙手。
 それがエキドナール・ドナ。
 基礎ステータスは貧弱で、真正面の殴り合いでは九華の中も最弱級だが、
 何でもありの闘いなら九華のトップ層に位置するハイスペックな闇人形。

「……ぷ、プロテクトは……もちろん……かけていたんだが……」

 苦い顔で、そんなことを口にするゴミス。
 アイテムボックスにカギをかけておくのは当たり前の話。
 ただ、カギにも、もちろん、ランクはあるわけで、
 だから、

「ランク20以下のアイテムボックスプロテクトなど、私の前ではなんも意味もない」

(……ら、ランク20の魔法なんざ、使えるわけねぇだろぉ……)

「さて、アイテムをなく、腕をなくし、さらには、魔力までも封じられたワケだが……ここから、どうする?」

「魔力も?! はぁ?! ……っぁっっ?!  だ、出せねぇ……っ!!」

 そこで、ゴミスはようやく気付く。
 腕を斬られたのと同じタイミングで、
 魔力も封じられてしまったという事に。

「ぐっ……うぅう……」

 ここまでくると、さすがに、頭が真っ白になる。
 何度も頭をかきみだされ、
 後手後手にまわり続け、
 切り札を根こそぎ奪われ、
 腕を両方ともなくし、
 魔力までも封じられ、

(……勝てない……状況が悪すぎる……というか、彼我のスペックが違いすぎる……)

 絶望の底に沈むゴミス。
 ポッキリと折れた心。
 ドナの前で心を強く保っていられる者は少ない。

 すでにヘシ折れてしまったゴミスを見て、
 ドナは、やれやれといった顔で、


「もう少し持つかと思ったが……うむ……流石に、真・武装闘気5だけでは。ハンデが足りなかったか」


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