『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

71話 ゼノリカとはいったい……

 71話 ゼノリカとはいったい……

 ドナがアモンに説教している間、
 ずっとトリップ顔で停止していたゴミス。

 ドナが、パチンと指を鳴らすと、

「――はっ」

 と、目に精気が戻り、

「な、なんだ……?」

 渇いた目をこすり、垂れていたヨダレを袖でぬぐいつつ、

「ん? アモンは……どこに……」

 きょろきょろとあたりを探すゴミス。
 視界が少しぼやけていて、
 軽く意識が朦朧としていて、
 記憶も、じゃっかん、霞(かすみ)がかっている。

(俺は勝っていた……よな……ん? なんで俺は勝っていたんだ……俺よりもあいつの方が強かったような……いや、だが、しかし、気づけば、俺の方が強くて……はぁ? 何言ってんだ、俺……大丈夫か……)

 混乱している。
 意識の混濁。
 下手に『バーサク状態だった時の記憶』が残っているせいで、余計にワケがわからなくなっている。

 そんなゴミスに対して、
 ドナが、



「――真・武装闘気5――」



 最大級のバフをかける。
 強大なオーラの鎧に包まれるゴミス。

「なっ……ぁ……」

 圧倒的な解放感。
 限界を大幅に超えた姿。

 先ほどのような『バーサク状態』ではなく、
 気力も心も充実している完璧なパワーアップ状態。

「……な、なぜ、俺に強化魔法を使う? というか、なんだ……この強大な強化魔法……貴様はいったい……」

「私はエキドナール・ドナ。ゼノリカの穢れを払うためだけに存在する闇人形」

「……」

 ドナの自己紹介を受けて、苦い顔をするばかりのゴミス。
 終始、わけがわからない。

(神になるだの……闇を払うだの……こいつらの言っていることは、いちいち、抽象的過ぎて、さっぱり理解ができない……というか……ほ、本当に、どうなっているんだ、俺の現状は……)

 ゴミスは必死になって頭をまわした。
 もちろん、答えは出てこない。
 『状況を好転させる妙手』はおろか、
 現状の正確な把握すら出来ていないこの状況。

「……アモンといい……貴様といい……なぜ、そこまでの超越者が集まる……ゼノリカとは……いったい……ゼノリカとはなんだ?」

「この上なく尊き神を抱く組織」

「……」

「全ての闇を包み込んでくれた光。なにより暖かな……『果て無く美しき命の王』を胸に抱く大空」

 ドナは、己の『奥底』に根付いている『神』をかき抱きながら、
 まっすぐに、ゴミスをにらみつけ、

「理解などしなくていい。ハナから不可能。ゼノリカは『下賤の身』で解せる光ではない」

 その宣言の直後、
 ドナの姿は音もなく消えた。

 ゴミスは、反射的に精神を集中させて、
 ドナの軌跡を追う。

(はやい……しかし、今の俺ならば、とらえられる……っ)

 『真・武装闘気5』によって、キレッキレに研ぎ澄まされているゴミスの目は、ギリギリのところで『死角にもぐりこんでくるドナ』の姿をとらえた。

 自分に向かって、オーラの波動を叩き込んでこようとしている。
 戦闘開始――理解すると同時、
 ゴミスは、両手に魔力を込めて、

「鬼炎撃ランク10!!」

 カウンターを叩き込む。
 ――すると!!



「――きゃぁああっ!!」



 獰猛な炎に包まれて、悲鳴を上げるドナ。
 ドナの悲鳴はゴミスの脳をくすぐった。


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