『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

64話 あいつはマジで怖すぎる。

 64話 あいつはマジで怖すぎる。


「アモン。貴様の喪失はゼノリカにとって大きな不利益……というわけで……」

 そこで、トーンが一気に落ちて、
 底冷えする声で、

「死んだら殺す」

「……ぃ、いえす、まむ」

 震えながら、
 アモンは両の拳を握りしめた。

(あのババァは、本当にやる……少しでも無様をさらせば……僕は殺される……っ)

 エゲつない恐怖に包まれる。
 ドナにビビらない天下は一人もいない。
 天上の者でも、ドナに本気でにらまれたら、たいがい、普通にガチでビビる。

 ※ 匿名希望Sさん(職業、神の王)の談。
『これは、俺が言ったって、マジで言わないでほしいんだけど、ドナって、基本的に、顔面が怖すぎるよね。もちろん美人なんだけど、なんか、こう、ザ・魔女って感じで、にらまれたら、身がすくむんだよ。なんだろうな……とりま、あいつは、目がイカついんだよなぁ。目力がハンパないんだよ。融通がきかないところも、ぶっちゃけ、アレだしさぁ……もっと、肩の力を抜くべきだと、俺なんかは強く思うね。あと、俺が、配下とかの前で、ちょっとふざけたりとかすると、すぐに【また、そのようなはしたないマネを! 立場を考えなさい! 殺すぞ!】とかいうんだよ。シャレになってないよな、あいつ――え? あ、いや【殺すぞ】って、実際に言われたわけじゃないけど、あの目は、完全にそう言ってんだよ。そうとしか思えないんだよ。俺にはわかるんだよ、嫌われている歴が長いから。この前も――』



 ゼノリカの風紀委員にして、最恐のお局(つぼね)様――エキドナール・ドナ。

 ゼノリカで最も『恐れられている』のは、
 『頭おかしい代表』の『酒神終理』だが、
 最も『畏れられている』のは、『純粋に怖すぎるドナ』。

 それほどの魔女ににらまれているアモン。
 当然、足が震えているが、現状、ビビってばかりもいられないので、


「く、ぅう……く、くそったれぇ……」


 苦々しい顔で、そうつぶやいてから、
 アモンは震える足に力を込めた。

 グンと踏み込むが、まったく、思った速度で前に進んでくれない。

(エグい! しんどい! マジか! あのババァ、どんだけ積んでくれてんだ! これは、さすがに、デバフがキツすぎる! 水の中にいる時より重いぞ、これ!)

 ドナの全力逆支援によって、極限まで弱体化しているアモン。
 それとは逆に、

「軽い! 体が軽い! まるで羽が生えたようだ!」

 ドナの全力支援によって、極限までパワーアップしているゴミス。

 ゴミスの動きは、キレッキレで、
 アモンの全てを置き去りにした。

「すごい! すごいぞぉ! 強いぞぉお! かっこいいぞぉおお! はっははははははははははははは! この急激なパワーアップはなんだ?! これは、いったい、どういうことだ! ピンチになったことで、覚醒でもしたのか?! ひゃははははは!」

 虚ろな目の『躁状態』で、休みなく攻撃を仕掛けてくるゴミス。

 普段の慎重なゴミスであれば『自分が不自然にパワーアップしたこと』に対して『マイナスの疑念』を抱くはずだが、現状のゴミスは、ただただ、アホウのように、自分の力に酔いしれ暴れている。

 明確なトリップ。
 完全に飛んでいる。


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