『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

62話 あのババァ……やりやがったな……

 62話 あのババァ……やりやがったな……


「……まさか、お前……本当にイカれているのか?」
「イカれているのは、ゼノリカに属さない全てだよ。僕らだけがまともで、他のすべてが狂っている。それが世界の真理さ」

 ――アモンは、
 ゆったりと、武を構えなおして、


「見せてあげるよ……本物の光」


 そう言うと、
 ダンッッっと、強く地面を蹴った。

 直後、アモンは、
 ゴミスの背後に回っていた。
 そして、その拳には、膨大な魔力が込められていて――


「豪魔拳ランク12!!」


「がっはぁあああ!!」

 拳からほとばしる魔力が、ゴミスの意識を削っていく。
 アモンは止まらない。
 ここまでのゴミスとの闘いで増幅させた魔力を惜しみなく、

「暴風・豪魔拳ランク12!!」

「どぅぐおぉおおっっっ!!!」

「――これで、フィニッシュだ」

 そう言うと、
 アモンは、右手に、すべての魔力を集中させて、

「滅殺・豪魔拳ランク15!!」

 強大な魔法。
 圧倒的な力。

 ゴミスは、自分の敗北を確信した。
 まだ魔力もオーラも残っているので、
 この一発で死ぬことはないだろうが、
 しかし、間違いなく気絶すると確信した。

 ――が、
 ゴミスは気づく。

(なんだ? 力が……あふれて……っぅ)

 アモンの拳が迫る刹那の中で、
 ゴミスは、体の奥底からみなぎってくる『力』を感じた。

 自分の限界を遥かに超えた魔力とオーラに包まれるゴミス。
 グググっと、止まらない加速!

「はっ――はははははっ! なんだ?! わからん! わからんがぁ!!」

 恍惚に包まれたゴミスは、
 アモンの拳に、

「おらぁあああああ!」

 自分の拳を合わせた。

 ギギギィンッッ!!

 と、鋼鉄同士がぶつかりあったような硬質な音が響いた。

 火花が散って、
 一瞬、空気に亀裂が入った。

 膨大なエネルギーのぶつかり合い。
 魔力とオーラが渦を巻いて、
 いびつな磁場が生まれたりもして、

「……っ……」

 自慢の一撃を相殺されたアモンは、
 いぶかしげな表情で、距離をとって、

(……なんだ? ……なにがどうなった?)

 『何が起こったのか』を冷静に判断しようとする。
 緊急事態に陥ってパニックになるのは二流。
 アモンはそこらの二流ではない。
 ゼノリカの天下に属する一流の戦士。

 だから、

(……急激な魔力とオーラの上昇。とてつもなく練度の高いバフ……この上昇率のバフを、僕は知っている……)

 アモンはすぐに気づく。
 チラと、横目で、ドナの顔に視線を向けると、

 意地悪い顔でニヤついていた。

(や、やりやがったな、あの性悪ババァ……)

 チッっと、舌打ちをしながら、軽くため息をつく。

 ゼノリカの『訓練』に対する理念は次の通り、
 『限界や極限は超えてなんぼ』
 『筋トレのカウント1は、【もうダメだ】から始めよう』
 『死にそう、だと? バカめ。本当に死にかけているなら、口など開かん』

 ゼノリカで行われている訓練は、
 そこらの拷問よりタチが悪いと有名な地獄。

 日常の訓練でソレだから、
 実地試験や昇格試験などでは、
 想像を絶するタチの悪さが散見される。

(ドナ猊下がフルマックスで積んだバフ……や、ヤバいな……)


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