『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

47話 ワンマン。

 47話 ワンマン。

「……『上』に回収されたのか?」
「ありえる話だ。やつらは気まぐれゆえ」
「何よりも『何をするかわからない』のが上の特徴」
「理解できぬ気まぐれに振り回されるこちらの身にもなってもらいたいな」
「こちらのことなど考えまいよ。我々など、上からすれば虫ケラに等しい」

 ※ この世界の人間が語る『上』とは、基本的に五大家をさす。


「上が厄介なのは事実だが……今回の件に関して、完全院は関与していないそうだ」
「はたして、それも、本当かどうか……」
「……『上』以外で、シロアリに対して上等をかましてくるバカなどいるか?」
「いないとも言い切れないところだ。計算ができないバカはどこにでもいる」

「――代表、どうする?」

 問われて、
 シロアリの代表『ゴミス』は、

「……『上』が完全に無関係だった場合……当然、回収する。実益、メンツ……全方面において、放置はありえない」

「調査班をくみますか?」

「必要ない。こんな時にそなえて、シアエガとは一つ契約をかわしている。かりに奪われても、居場所を割り出せるように」

「ということは、すでに、居場所は判明していると?」

「ああ。亜空間に収納されている。空間干渉の障壁を張っているようだが、Cレリックとの契約を前にすれば、そんなものには意味がない」

「では、上が無関係だと判明した段階で、私の部隊に回収のご命令を――」

 いつも通り、点数稼ぎをしようとしたテロッカを制し、
 ゴミスが、

「いや、俺が出る」

 渋い声でそう言った。
 有無を言わせないピシャリとした発言。

「代表みずから?」

「上が関係ないとすると、Cレリックを奪ったその何者かは、ガタラを倒して奪ったということになる。ガタラはシロアリの中でも最高位の実力者。敵はなかなか強い」

「私はガタラよりも強いですよ」

「そうだな。だからこそ、万が一にも失うわけにはいかない。上位幹部級はそうそう替えがきかないんだ」

「……評価とご配慮、感謝します」


 ★


 幹部会議を追えると、ゴミスは、その足で、
 単独、Cレリックの回収に向かった。

 いつだってそう。

 今回のように『完全単独行動』は珍しいが、
 基本的に、ゴミスは、自らを前面に出していくタイプのリーダー。

 センのように『根が一匹オオカミ』というわけではなく、
 他者をあまり信用していないタイプの、いわゆる経営者的なワンマン。

 つまりは、『誰かに任せるよりも自分が動いた方が早い』という視点。

 『細かい作業』や『ゴミスが手を出すまでもない雑務』は、
 もちろん、一つの組織をまとめるリーダーとして、
 適当な部下に任せてはいるが、
 しかし、今回のような『対処が厄介な面倒』が起こった時は、
 率先して、解決に向けて動き出そうとする。

(今回の件……『誰』が実行犯かで対応が大きく変わる……)

 ゴミスは、巨大な反社組織の代表ではあるが、
 実のところ、というか、しょせんは、
 社会という檻の中でがんじがらめになっている中間管理職。

(完全院の関係者が実行犯なら、どんな理由であれ、和解するしかない……屈辱的な話ではあるが、しかし、それ以外の道はなく、それに、正直、そっちの方が楽な結末といえる……『どっちに転ぶかわからない抗争』などやりたくない)


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