センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

45話 決して無意味な疑心暗鬼じゃない。

 45話 決して無意味な疑心暗鬼じゃない。


(世界全体の『程度』に関しては、おおよそがつかめてきたが……五大家に関しては、まだまだ情報が少なすぎる……この状況だと、まだ、無茶は通せないな。……『完全院リライトが俺よりも強い可能性』は『まだ残っている』と言わざるをえない。俺より強い程度の雑魚に『俺』は負けないが……『俺を超えるほどの変態』から『全力の敵意』を向けられたら『ゼノリカ』が壊滅する可能性がある……)

 負けるとは思わない。
 センエースは最後には必ず勝つ。

 ――だから、ここで問題となるのは勝ち方。

(……仮想敵は少なく見積もって五人プラス一体……当主以外の親族や配下を含めると、何百って数に及ぶ……そいつら全員が俺クラスで、かつ、敵意むき出しで余力を残すことなく、ゼノリカ殲滅に全力を注いできた場合……当然だが、守り切れるわけがねぇ……)

 ――世界中の全てを敵に回しても守ってみせる。
 という、その有名なセリフは、
 ただ口に出すだけなら非常に簡単。

 けれど、その覚悟は、本気で実行するとなると、
 どれだけの力をもっていたとしても、
 もろもろに対して躊躇してしまう狂気。

 センエースが背負っている命の数は、
 数えられる実数値だけでも『数百億単位』であり、
 かつ、『その時』がきたら、ガチンコで、
 世界全てを相手に戦わなければいけない。

 となれば、当然、楽観視など出来るわけがない。

(もちろん『俺クラスが何百人もいるかも』ってのは疑心暗鬼がすぎるが……現状、可能性だけならゼロではない……)

 あまりにも臆病が過ぎる弱腰だという事は理解している。

(いつだって、楽観視は悪手。『敵の規模が想定を下回っていた場合』は、事後処理という流れ作業を淡々とこなせばいいだけ。『ヌルい作業』に対する準備など必要ないから、『事前に可能性を想定しておく意味』は何もない)

 『めちゃくちゃ警戒して、死ぬほど準備したのに……なんだ、どいつもこいつもハナクソみてぇに弱いじゃねぇか。楽勝、楽勝』
 ――結果的に、この展開になるのは別にいい。
 費やした準備が、すべて完全な無駄になるというわけでもないから。
 仮に、この世界の敵が弱小だったとしても、
 強大な敵を相手にするための予行演習にはなるのだから。

 センエースの現状を鑑みると、
 仮に今回の敵が強大ではなかったとしても、
 いつかは必ず現れると推察できる。

(P1が言っていた『D型』とかいうのが、今回のラスボスなら、全力でシバいて、直近の脅威を終了させる。関係ないなら関係ないで、D型の討伐に向けて気を引き締めなおす。それだけの話)

 センエースは思う。
 なにより最悪なのは、
 『敵がここまで強いとは思っていなかった! 詰んだぁ!』
 という、この地獄。

 その最悪を回避するための『準備』は徹底すべきである――
 それが、現時点におけるセンエースの基本的な姿勢。

(これは無意味な疑心暗鬼ではなく、最低限必要不可欠な当然の警戒心。現に、シアエガと契約したバロールは大幅にパワーアップしている。バロール以上の資質を持つ天才が、シアエガ以上のコスモゾーン・レリックと契約していた場合……その強さは相当の脅威……)

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