『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

37話 全身全霊。

 37話 全身全霊。

「すでに、あらかた詳細は聞いているが、自分の目でも確認したい。というわけで……余力を残すことなく、全身全霊で……かかってこい」

 命令を受けると、
 バロールは、一度背筋をピンと伸ばして、

「かっ、かしこまりましたぁっっ!!」


 全力で返事をしてから、
 バロールは、命令通り、


「――星典黒猿! 虹気(こうき)!!」


 初手から『最大の切り札』を投入。
 虹色のオーラに包まれ、圧力が膨れ上がる。

 その様を見て、センは、


「オーラの純度を上げるオーラか……悪くない」


 ボソっとそうつぶやいた。

 バロールは、

「……まいります」

 まだ緊張している面持ちで、
 しかし、命令どおり、
 全身全霊で、
 天を仰ぎ、

「ぅぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっっ!!!」

 叫びながら、オーラと魔力を高めていく。
 腹の底から声を出し、
 自分を鼓舞しつつ、

 少しでも神の役に立とうと、
 魂と心を高めに高めて、

「覇王斧気(はおうふき)ランク20!! 雷鳴飛翔(らいめいひしょう)ランク20!!」

 バフにバフを重ね、
 モリモリの野獣に変貌すると、



「連牙(れんが)・飛光刃(ひこうは)ランク23!!」


 オーラと魔力をブチ込んだ斧を振りぬく。
 一振りで『二つの刃』が猛獣の牙のように唸りを上げながら飛翔する。
 ――光り輝く二つの刃がギキィっと軋轢(あつれき)音をたてながら、
 獰猛かつ狡猾に、センを食い破ろうと、左右から襲い掛かる。

「おぉ、鋭いじゃないか……良(よ)き良(よ)き」

 褒めつつ、
 襲い掛かってくる2つの刃を、
 ペっと、軽くシバいてかき消す。

 蚊でもはらうように、サラっと、
 『バロールの一手』を『なかったこと』したセンの姿を見て、
 バロールは、
 冷や汗をダラダラさせながら、

(……な、ナニをされたのか……それすら……わからない……)

 唖然とするばかり。

「さあ、どんどんこい」

 くいくいと、手招きをされて、
 バロールは、

「はっ!!」

 あらためて返事をしてから、
 全身に溜めたオーラと魔力を解放・爆発させ、

「ぅぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 虹気のブーストを受け、
 すべての力を解き放ち、
 全身全霊でセンと向かいあうバロール。

 バロールは全力だった。
 命令通り、余力を一切残すことなく、
 そのコアオーラの全てを燃やして、
 究極超神センエースと向かい合った。

 ゼノリカの天上。
 九華十傑の第六席。
 圧倒的な高みに位置する超人。
 神となり、さらにその気高さが増した天上人。

 しかし、
 そんなバロールの全力をもってしても、

「……ぉお、どちゃくそエモいねぇ。まじ、バビるぅ」

 神には、かすり傷一つつけることができなかった。
 どうやら褒めてくださってはいるようだが、
 神は、汗一つかかず、バロールの攻撃を人差し指だけで受け流し続けている。

 これはもはや、かすり傷一つつけられないとか、そんなレベルではない。
 神が許していなければ『この距離まで近づくこと』すら、絶対に不可能。

(も、もし神が私を殺す気でここに立っていたならば……私はすでに数千億回ほど死んでいる……)



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