センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

26話 ど・ち・ら・に・し・よ・う・か・な。

 26話 ど・ち・ら・に・し・よ・う・か・な。

「な、なんだ……この安定した波動……『虹気(こうき)』を完全に制御しているじゃないか……ま、まさか、バロール、貴様……『神の種』をもつのか! ふ、ふはははは! これはいい!」

 そこで、シアエガは、ジャミたちをにらみつけ、

「最高の気分だ……『神にも届きうる素材』を得られるとは!!」

 恍惚の表情で、

「幸運! 僥倖! 私は手に入れた! 無敵の器! これならば、確実に、アウターゴッドへと昇華できる! つまりはそう! 私こそが最強のコスモゾーン・レリック!」

 そう叫び、

「ふぅう……しゅっ……ふっ……」

 シアエガは『膨れがあった自分』をググっとならす。

 二・三度、虚空へ拳を突き出し、
 円を描くように軽くステップをふむ。

「完璧だ……あまりにも見事な仕上がり……私が……私こそが完璧な命……」

 恍惚が止まらない。
 満面の笑みで、

「さあ、いくぞ。教えてやる。……最強の神格……その力を」

 ――シアエガが腰を下ろした、と九華の面々が認識した直後、
 シアエガはその場から、音を殺して消えていた。

 それと同時、
 ジャミは、視界からの殺意に気づく。

「――っ」

 完全な反射。
 意識を排除した反応。

 ギリギリのスウェーで、
 ジャミは、シアエガの振り下ろしを回避し、
 その流れのまま、

「異次元――」

 ゼロ距離の異次元砲を叩き込もうとしたが、

「悪手と言えるほどではないが、最善ではないな」

 圧縮された時間の中で、
 のんびりとした音が共鳴。

 グっと、ジャミのふところに入ってきたシアエガが、
 ジャミの顎に頭突きをブチかます。


「――ぐっ!!」


 顎の衝撃で、脳が揺れる。
 すぐさまオーラと魔力で脳をサポートするが、
 生じてしまった一瞬のスキは消えてくれない。

 ――シアエガは、ジャミの胸部に右手を押し当てて、

「異次元砲ぉおおお!!!」

 強大な咆哮。
 エネルギーが収束して、

「がぁああああああ!!」

 ジャミの細胞を破壊する。
 ぽっかりと開いた胸部。
 心臓を飛ばされたジャミの目は虚ろ。

「くく……まずは一匹……」

 そうつぶやいた直後のことだった。

 ジャミの胸部がグニュグニュとうごめいて、

「ぶはっ!」

 即座に完全回復すると、
 虚ろだった目も元のイケメンアイズに戻る。

 その様子を目の当たりにしたシアエガは、
 怪訝な顔で、

「……自動回復……それも、ハンパではない性能……」

 ボソっとそうつぶやき、

「……それだけの強さがあって、かつ、それほどの反則的なスペシャルをもつとは……確実にバロールより上位の個体……なるほど……まあ、最初から気づいてはいたが……やはり、貴様の方が『異世界の王』だったか……バロールは貴様の右腕といったところかな?」

「はぁ……はぁ……」

「バロールよりも高品質となれば……おそらくは、貴様も『神の種』を持つのだろう……絶対ではないが……その可能性は高いと見た。……バロールも決して悪くないが……しかし、貴様の方がアリだな……」

 選別する側に立つ者の、値踏みするような目。
 圧倒的強者の物言い。

「迷ってしまうな……『こいつ(ジャミ)』の方に乗り換えるか……いや、しかし、バロールを失いたくはない……バロールも非常にレアな器……『こいつ(ジャミ)』が本当に神の種を持っているか、現時点では不明というのも、少し怖いな。さてはて……うーむ……」

「センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く