『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

23話 ヘソが茶を沸かす。

23話 ヘソが茶を沸かす。

「ブナッティ・バロール……貴様の強さは本当に素晴らしい。伝わってくるぞ。貴様が積んできた武の結晶――その全てが、肉体を通して、私の魂魄に伝わってくる」

 シアエガは、バロールを奪ったが、しかし『肉体の操作権を得た』だけで、
 決して、バロールが有する全ての『情報』を奪取したというわけではない。

 あくまでも、支配しただけ。
 雑に奪っただけに過ぎない。
 ゆえに、今も、『本質』はまるで理解できていない。

 しかし、この鍛え抜かれた肉体と、破格に高品質な精神力に触れたことで、
 シアエガは『バロール』という生命の『武におけるほぼ全て』を理解した。

「鍛え抜かれた魂魄の極地……心技体、すべてが充実している……貴様ほど優れた者は、五大グループの上層部にも、そうそういない……比肩しうるのは、『完全院(かんぜんいん)リライト』と『全宮(すべてのみや)テラ』ぐらいか……」

 ブツブツと、
 恍惚の表情で、

「本当に素晴らしいぞ、ブナッティ・バロール。ほかの三家には、お前クラスは存在しない……罪帝(つみかど)にも、宝極(ほうごく)にも、久剣(くつるぎ)にも、お前クラスの超人は存在しな……ぁ、いや、『罪帝イデア』ならば、あるいは、将来的に並びうる可能性もなくはないか……」

 全宮の当主『全宮テラ』
 罪帝の当主『罪帝イデア』

 どちらも、今のバロールと同じように、
 Cレリックに選ばれ、
 だから『Cレリックを装備する許可』を得ている、
 この世界の支配者の一柱。


「まあ、しかし、そのぐらいだ。素晴らしい。本当に素晴らしい!!」


 心底からの愉悦を叫んでから、
 シアエガは、

「さて……バロールの従者たちよ。これより、貴様らは、私の配下となる。これからは、この私に絶対の忠誠を誓え。よいな」

 シアエガの発言を受けて、
 カティが、半笑いで、

「この私がバロールごときの従者? ヘソが茶を湧かすんですけどぉー」

 心底呆れているような顔。
 カティは小指で耳をかきながら、

「あんた程度のガラクタに精神支配されるようなドマヌケの配下をやるほど、私は落ちぶれちゃいない。その低品質な頭じゃ理解できないだろうけど、私は『遥かなる高みにおわす御方』に愛されている気高い女。本来ならば、あんた程度じゃ顔を合わす事すらできない『圧倒的に高貴』な存在」

 流石にシューリほどではないが、
 しかし、すさまじくプライドが高いカティは、
 シアエガをとことんまで見下しながら、

「もういい加減、イライラも限界。貴様はあまりにも不敬がすぎる。というわけで、神法にのっとり極刑を言い渡す」

 オーラと魔力を爆上げさせると、
 その流れの中で刀を召喚し、

「――死ね、カス、ぼけ」

 空間を駆け抜けて、
 シアエガ(バロール)の背後から切りかかった。

 躊躇のない神速の一手。
 間違いなく一刀両断。

 だが、

「っぅお!」

 神速の反応を見せるシアエガ。
 ついさっきまでのシアエガでは対応できなかったが、
 今は、バロールの武を器として有しているため、
 なんとか反応することができた。

「な、なんだ、その鋭い一撃は……ど、どういう……き、貴様……まさか……バロールと同等の力をもっているというのか……」

 ギィンギィンギキィンッッと刃同士が弾き合う。
 止まらないカティの連撃。
 凶悪な反応速度でカティの刀に対応するシアエガ。

 濃厚な一瞬。
 剣の花が咲き誇る。

 シアエガは、バロールの武に驚いていたが、
 カティの武も、また、
 シアエガを驚かせた。

「バロールと同等……いや、火力の高さでは……バロールを超えている? ……信じられん……なんだ、この異常な状況……」


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