『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

8話 錯綜。


 8話 錯綜。

(情報が足りねぇ……この状況で真実をつかむのは不可能……となると……選択肢は二つ。おとなしく従うか、精いっぱい抗うか……)

 ヒリヒリの二択。
 運否天賦の完全フィフティフィフティ。
 現状、どちらが正解かわからない。
 ここは引いておいた方が無難な気もするが、

(五大家の中で、何かしらの『内部分裂』があったと仮定したら……現状の俺は、ちょっとした『内輪もめの余波』をくらっているだけ……という可能性もなくはない。その場合だと、ここでの従順は裏目に出うる)

 例えば、五大家の中で『犯罪者組織を解体したい』的なことを言い出したアホがいたのかもしれない。
 家の『方針』に逆らって、謎の『我』を通そうとしたアナーキーの出現。
 それは別段『絶対にありえない可能性』ではない。
 人間の思想ベクトルは『家族』であっても一つではない。
 人の思考形態は、いつだって、どこだって、千差万別で奇異珍妙。
 ふいに、ワケの分からんことを言い出す変態が現れても、おかしくはない。

 『ガタラの思索』が『この流れ』に至った理由の一つが、
 最近、噂に聞いたエリアBの『全宮(すべてのみや)ロコ』。
 代表からちょっと話を聞いただけなので、
 詳細はまったく知らないが、
 ――なんでも、
 全宮ロコは、『支配構造の改革』を望んでいるらしく、
 『父親』と『兄』にケンカを吹っ掛けて、
 現在、全宮家全体がピリついているとかどうとか。

(エリア『B』の『全宮家』は頭がおかしいヤツが多いという噂……)

 もっとも、エリアAの『完全院家』が『正常か』といえば、別段、そういうわけでもない。
 罪帝も、大概だという話はよく聞く。
 宝極と久剣も、他の家よりはマシという噂だが、
 それでも、狂ったヤツは大勢いるっぽい。

 ――そもそもにして、支配者層がまともなワケがない。

 ようするに、
 シロアリとズブズブの関係である五大家の者から、シロアリの幹部が『ケンカをふっかけられる』という異常も『絶対にないことではない』ということ。
 ガチンコの全面戦争はありえなくとも、
 わけのわからない『いやがらせ』を受けることは十分にありえる。

(もしかしたら、五大家で何かしらの問題が起きて、こっちに飛び火したのかもしれねぇ……それが、もし『本筋の総意』なら、大々的に逆らうのはマズいが……これが『マイノリティの暴走』だった場合、黙って従うのが得策とは言えない……『俺』に対し『コスモゾーン・レリックについて聞いてきた』という点から、後者の可能性は高いように思える……が、それだって、推測の範疇を出ない……)

 考えても答えの出ない迷路にはまるガタラ。
 すべて、ただの推測にすぎない。
 現状は、あまりにも情報が足りなさすぎる。
 ――だが、考えずにはいられない。
 ガタラは『記号』ではない。
 だから、必死になって、生き残る方法を考える。
 『どうすれば最善か』を必死になって考える。
 命とはそういうもの。
 命あるものは、みな、必死で自分の人生を生きている。

(何が最善……どの一手が、俺にとって最大の利益をうむ?)

 ――さんざん悩んだが結果、

(……しかたがない……)

 ハラを決めて、一つの選択肢を選び、

「……何について、どれだけしゃべったら、俺を開放してくれる?」

「おいおい、お前は、まだ私の顔面を一発ぐらいしか殴っていないぞ。それで諦めるのは流石にはやすぎるだろう。せめて、もう少しぐらいはトライしてみろよ。ほら、胸も腹もガラ空きだぞ」

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