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7話 五大家の類縁。


 7話 五大家の類縁。

(この猿顔は、おそらく五大家の類縁……『五大家に関わる者』が相手となれば、俺の力じゃ、どうしようもねぇ……)

 この世界の完全なる支配者。
 それが五大家。

 ――この世界は、エリアA~エリアEの五つに分けられている。
 それぞれのエリアを統括している五つのコンチェルン。
 産業・金融・軍事、そして、だから、当然、政治の核も担っている、一つなぎの超巨大財閥。
 それが、

 『完全院(かんぜんいん)』
 『全宮(すべてのみや)』
 『罪帝(つみかど)』
 『宝極(ほうごく)』
 『久剣(くつるぎ)』

 この五大家。

 ――それらの家系に連なる者。
 あるいは、それらの家系の配下。
 どちらも選ばれし雲の上。
 枠外の存在。

 あえてたとえるならば、五大家は、
 『真・第一アルファ』の『ゼノリカ』。

(なぜ、五大家がシロアリにちょっかいをかける? ……代表と何かトラブった? いや、代表がそんなミスをするとは思えねぇ……となると、下の連中が何かやらかした? いやいや、だとしても、代表がキッチリと話をつけるはず。俺たちシロアリは必要悪……『不満』の掃きだめ……『反社』の受け皿……五大家は俺たちの解体をのぞまねぇ)

 五大家がその気になれば、犯罪者組織を一掃することは難しくない。
 だが、シロアリもゴキもつぶされてはいない。
 その理由は明確で単純。

 『反社』をうたってはいるが、結局のところ、
 ゴキもシロアリも、五大家の『犬』でしかないから。

 ぶっちゃけてしまえば、ズブズブの関係。
 上層部の中でも『わずかな者』しか知らないことだが、
 実は、
 シロアリ代表の『ゴミス』も、
 ゴキのリーダー『ザコー』も、
 完全なる『五大家の類縁』である。

 トップが『スパイ』という、なんともマヌケな話。

 この世界のすべてが、五大家に支配されている。
 その証拠が、『彼ら』と言っても過言ではない。

 裏も表も、
 すべては五大家の支配下。

 それがこの世界、
 真・第一アルファ。

 ――ゆえに、

(……わからねぇ……何がどうなってんのかわからねぇ……)

 困惑する。
 ガタラは知っているから。

 最高位裏組織の幹部であるガタラは、
 そこらの無知な一般人とは違い、
 『世界の構造』を把握している。

 シロアリが、五大家とマジゲンカをすることはありえない。
 代表のゴミスは恐ろしく強いが、
 五大家には、そんなゴミスと同等かそれ以上の連中がゴロゴロしている。
 シロアリは、巨大組織で、強者もたくさん在籍しているが、
 なにがどう転ぼうと、五大家には100%勝てない。
 質と量が違いすぎる。
 マジでやりあえば、一瞬でつぶされる。

 だから、ガチンコで戦争する絶望は絶対にありえない。
 しかし、現状、ガタラは、五大家の人間から敵意満々のチョッカイをかけられている。

(情報が足りねぇ……この状況で100%の真実をつかむことは不可能……となると……)

 必死に考えるが、
 こんな状況では、当然『本当の答え』は出ない。
 よって、

(選択肢は二つある。おとなしく従うか、精いっぱい抗うか……)

 ヒリヒリの二択になる。
 運否天賦の完全フィフティフィフティ。

コメント

  • ノベルバユーザー495515

    面白くなってきた

    0
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