センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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1話 エリアA。

 1話 エリアA。


 『真・第一アルファ』の中央『エリアA』の中心街は、無数の人であふれかえっていた。

  ※ 真・第一アルファは五つに区切られている。

   北西のエリアE 北東のエリアD
      中央のエリアA
   南西のエリアB 南東のエリアC


 この世界の『文明』は、ハッキリ言って、非常に『歪』だった。
 中世と近代と未来が重なっているかのような、
 きわめて異質な世界観。

 町並みは、どこか中世ヨーロッパと大正ロマンを混ぜたような謎クラシカル、
 けれど、町をゆく人々の様相は、なんというかMMORPG的でテクニカル、
 そして、人々が所有しているガジェットは、どれも未来的でサイバーチック。


「文明レベルは比較的高いように見えるけど……なんていうか、与えられているだけ……みたいな印象を受けるかな」

 町のカフェテラスでお茶をしている五人組。
 その中の一人、ボーイッシュ&ゴシックな少女――レミングウェイ・カティが、ふいに、そうつぶやいた。

 それに対し、隣で上品にパンケーキをたしなんでいる猿顔――ブナッティ・バロールが、

「実際、この世界の連中は、自分たちが使用しているガジェットの仕組みについて、てんで無知……なんとも奇妙な話じゃねぇか」

 続けて、その隣で紅茶のカップを傾けているイケメン――ジャミ・ラストローズ・B・アトラーが、

「なんというか、世界全体が『箱庭』って感じがするな……」

 その発言に添えるように、いい感じのオッサン――サトロワスが、

「はっはー、ほんと、この世界は実に面白いねぇ。我々のプロパティアイをも欺いてしまう謎の資質。携帯ドラゴンに対する謎の規制。洗脳・支配に対する高い耐性。そして、推定平均存在値が『80オーバー』という、『第二アルファ』をも大幅に超える驚異的な世界スペックの高さ。さすが、『真・第一アルファ』の冠を有するだけあるといったところ。実に興味深いねぇ」

 調査を開始して以降、何度か、この世界の人間をさらって洗脳し、情報を聞き出そうとした――が出来なかった。
 100%不可能というわけではないが、逆流して『支配しようとした側』が狂いかけた。
 洗脳に成功しても、どうやら、『重要な情報の流出』には強固なプロテクトがかかったりしている様子。

 ちなみに『プロパティアイでも見えない』のに、なぜ平均がわかるか。
 簡単な話。
 ここが、『存在値100から先』は見えない世界だから。

 町ゆく『民間人』の数値は見えているが、
 しかし『明らかな軍人』や『目に見えて武装ランクが高い者』の存在値は見えない。


 見えるのは例外なく『存在値100』まで。
 すでに1万人以上を観察して、その結果、『100』はたまに見かけるのだが、『101以上の数値』は一度も見ていない。
 このことから、この世界では『101以上の存在値を持つ者は見えない』という結論に至った。

 そして『101以上に達している者の割合』は、
 現時点までの観察結果によると、およそ一割。
 見えている者の存在値は子供でも30以上で、
 大人になると、50~100。

 結果、ゼノリカの面々が推定したこの世界の平均存在値は『80オーバー』。
 『平均値』では『ブッチぎりの最強を誇る第二アルファ』ですら『50』前後なので、
 この世界の平均がいかにぶっこわれているかが、よくわかる。

 言うまでもないが『平均値の高さ』は、
 その世界に存在する強者の『質』と『量』に直結する。



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