センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

42話 俺は一番偉い神様だから、何をしても許されるんですー。


 42話 俺は一番偉い神様だから、何をしても許されるんですー。


「師よ、確認いたします」
「あん?」

 ――『かすり傷の一つ』でもつけられたら、お前の勝ち。
   お前が勝ったら、『お前のいう事』を黙って聞いてやる――

「間違いございませんね?」
「お前が確認すべきは、お前が負けた時の条件だけだ。『お前が勝った時の条件』など確認する必要はない。ありえないから」

「……はたして、どうでしょうか」
「勝てんぜ、お前は」

 そう言って、センは、平の背後に回った。

 もう十分『自覚させること』は出来たので、
 あとは、サクっと、神速の『首トーン』で終わらせようとした、

 ――のだが、


 ――キュインッ!!


「なっ!!」

 平熱マンの、それまでの動きからは考えられない、
 豪速の切り返しを受けて、

「どっわぁ!」

 センの右腕がサクっと飛んだ。

 あふれだす血は、すぐさまオーラで止血。
 と同時――すぐに、切り飛ばされた右腕を左腕でつかみ、

「マジか、ぉい……マジかぁ?! ウソやろぉ?!」

 困惑しながらも、
 センは、回復魔法で、サクっと自分の右腕をもとの状態に戻す。
 極まって美しく切断されていたため、
 完全回復にかけた魔力は極めて微小ですんだ。

 ――そんな師の姿を見ながら、
 平は、

「……師からすれば、その程度は『かすり傷』でしょう。しかし……かすり傷で、よろしかったんですよね? ボクの勝利条件は」

「……」

 センは、一度、グっと奥歯をかみしめてから、
 ヘラっとした笑顔をみせて、

「えー、そんなこと言ったっけー?」

 と、おどけてみせた。
 それに対し、
 平は、

「はい、確かに」

 と、まっすぐな真顔で返した。

 センは、ぽりぽりと頬をかいてから、

「でも……それは……ほら、アレだから」

「アレとは?」

「だから、ようするに、いわゆる……そう! 当然の話だが、『油断していない俺』に、かすり傷をあたえられたら話を聞くという意味で、さきほどの俺は鬼のように油断していたから、勝利条件を満たしているとは言えない系のアレだ。というわけで、ノーカン! ノーカン! ノーカン!」

「……」

「そんな顔したってダメー。俺は一番偉い神様だから、何をしても許されるんですー」

「……もちろん、理解しております。我が師は、この上なく尊き神の王。当然、何をしても許される。あなた様が法。あなた様が世界のルール。あなた様だけが、この世界の全て」

「そういうこと。さてさて、ではでは、というわけで……」

 そこで、センは、ゆったりと、
 『本気の武』を構えて、





「――相手をしてやる。くるがいい」





 遥かなる高みから、
 そう宣言した。

 2秒前までの『モンジン』的なノリは一瞬で鳴りを潜めて、
 『完全なる超越者』として、
 センエースは、平熱マンの前に立つ。

「……感謝します、尊き主よ」

 平熱マンはバカじゃない。
 そして、『彼の師』も、また『愚者』ではない。

 だからわかる。
 師の想い。
 師の優しさ。



 ――受け止めてやるから、存分に試せ――



「平熱マン・スラッシュ!!」


 プライマルプラチナスペシャルの効果が乗った平熱マン・スラッシュは、
 それまでの一撃とはまったく性質が異なっていた。

「――ぬぅっ」

 ギリギリのところで回避するセン。

(鋭さの次元が違う、まったくの別物……というか、これは『平の剣』ではない……これは、まるで、俺の……)


 平に開眼した究極の果てにあるスペシャル。
 ――『史上究極の弟子(勇者)平熱マン』――

 その効果は、
 簡単に言えば、
 『師が磨いてきた剣技の器』を『平熱マンの魂魄に重ねることができる』という、はなはだイカれたスペシャル。


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