『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

10話 ついに、扉の向こうへ。


 10話 ついに、扉の向こうへ。

 センエースが瞬間移動した先は、当然『禁域』。

 ワクワクしながら、例の『でかい扉』の前に立つと、

「まあ……『飛び級は認めません』とか言われてガッカリするだけの可能性も大いにあるが……モノは試しだ。最悪、ダメなら、三次を受ければいいだけの話」


 などとブツブツ言いながら、『冒険の書』を扉に入れようとしたところで、

「え、マジで、今から行くんでちゅか?」

 シューリにそう言われ、

「さんざん待たされたんだから、そりゃ、すぐに行くだろ。もう、なんていうか、こちとら、体感的には、一年くらい待たされた気分なんだよ」

「……あいかわらず、我慢の利かない子でちゅねぇ。いつもいつも『気分と勢いだけ』で行動しようとして……悪いクセでちゅ。その扉を開けた瞬間に『ものすごい敵』が出てくる可能性もゼロではないんでちゅから、しっかりと準備をしてからにしなちゃい」

「うっせぇ、ババァ。俺は俺のやりたいようにやる! 誰の指図も受けない!」

「誰がババァでちゅか! 『世界一の女神様、お慕い申しております』と言い直しなちゃい! そして、ここにひざまずき、足をなめなちゃい!」

「調子にのんなぁ!」

 いったん一喝してから、
 スゥと息を吸って、

「準備っつったって、別にやることなんかねぇだろ。手持ちのアイテムは既に最強の布陣だし……今の俺ですらヤバくなりそうな相手だったら、俺以外、全員瞬殺だから、近衛を連れていくってわけにもいかんし。そもそも、ぞろぞろと護衛を引き連れて歩くとか、俺の性格的にムリ寄りのムリだし」

 そこで、
 ワガママな神に、
 シューリが切り込む。

「お兄……まだ『P型センキー戦で得た力のコントロール』がうまくできていないでちゅよね」

「……ぅ」

「あの『蝉なんとか』っていうカスの前では『余裕の楽勝』みたいな顔してまちたけど、実際のところは、まだ地に足がついていちぇんよね」

「うぐぐ」

 『いきなり手に入れた力』を完璧に扱えるほど、
 センエースは天才ではない。

 というより、センエースは凡才。
 積み重ねることでしか力を得ることができない、
 『天才の対義語』ともいうべきスーパー凡夫。

「せめて、それをマスターしてからにしなちゃい」

「……む~」

 不満げな顔を隠しもしないセン。
 センは、数秒悩んでから、

「じゃあ、チラっとだけ覗こう? 『何があるかなぁ』って見るだけ。それだけ。ちょっとだけ! ちょっとだけだから! これからはシューリの言う事聞くから! 勉強もするし、部屋も片付けるから!」

「……ぅ……しょうがないでちゅねぇ……ちょっとだけでちゅよ」

 あっさりと折れたシューリの背中に、
 アダムが、

「はやっ……おい、折れるのがはやすぎるぞ、シューリ。なんだかんだ、貴様は主上様に甘すぎだ」

「だって、なんでも言うことを聞くと言っているんでちゅよ! それは、つまり、これからは、お兄は、オイちゃん専用の肉バイブになったということ――」

「なわけねぇだろ!」

 即座に文句をつけるセン。

 それから、数分、
 あーだこーだあってから、

「……ま、とりあえず、ヤバそうだったら退却して準備を整えるということで……」

 結局のところ『いったん、扉の向こうを覗いてみよう』ということに落ち着いた。


「『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く