『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

16話 おしくらまんじゅう。押されて泣くな。


 16話 おしくらまんじゅう。押されて泣くな。

「さすがに、このままじゃ、おわれねぇからなぁ。せめて、一発だけでも……」

 そう言ってから、スっと息を吸い、

「禁止魔カード、使用許可要請」


 要請を受けた『気分屋のコスモゾーン』は、
 少しだけ逡巡したが、


 ――……許可する――


「さんきゅっ」

 軽やかに、礼を述べると、
 そのまま、目を閉じて、

「――おしくらまんじゅう――」

 言ながら、禁止魔カードを破りすてた。

 すると、





「……出番をくれるのかい? ……捨てゴマ扱いだったとしても、うれしいね。『あの閃くん』とは、ぜひ一度話がしたいと思っていたんだ」





 P型センキーの性質がガラっとかわった。
 アダムから奪い取った『額の虹玉』がなくなって、
 見た目もコアオーラも完全に変態した。

 邪悪との融合。
 センがミシャという邪悪を使ったなら、
 P型センキーも、彼という邪悪を使う。


 ――『彼』は、スっと目を開けて、
 センエースをその目にとらえると、
 ニタァっと、黒く微笑んで、

「やっぱり、君は最高に美しいよ……閃くん」

 P型センキーの変化を受けて、
 センエースは、流れるように、

「ジェネラル・ドリームオーラ・リリックダイアグラム」

 絶大な性能のバリアを、
 アダムとシューリを守る形で出現させた。

 それを見たP型センキーは、

「安心していいよ、閃くん。そこの美女二人に興味はない。今、この瞬間、君は俺の心を独り占めにしている」

「んー……なんつーか……『蝉原』っぽいが……違うな。お前は、俺の知っている蝉原じゃない」

 『彼』は、虚数アルファの蝉原なので、
 究極超神センエースが知る蝉原とは違う。

「へぇ、すごいね。ベースは完璧に同じだし、今はP型センキーという不純物と融合しているから、絶対に『ちょっとした区別』なんてつかないはずなのに……ねえ、なぜ分かったのかな?」

 その問いに、
 センエースは、
 少しだけ逡巡したが、
 しかし、決して言葉を濁さずに、
 まっすぐ前を向いて、



「……憧れていたからだろ。たぶんな」



「ははっ……うれしいねぇ」

 本気で嬉しそうに、柔らかく微笑んでから、

「大きくなったね、閃くん。幼馴染として、すごく誇らしく思う」

「中2の時に一回会っただけの相手を幼馴染と呼ぶべきかどうかは懐疑的なところだな」

「言わせてくれよ、それくらい。俺の一番の自慢なんだから」

「……まあ、好きにしろよ。お前が誰のことをどう思っていようが、そんなことは、心底どうでもいい」

 そう言ってから、
 センは、

「……そういえば、名乗りを聞き忘れていたな。……別に『お前が誰か』なんか、特に知りたくもないが、お前の中にいる『不純物』からは、さっき二回も名前を聞かれているからな。礼儀として、聞きかえしておく。……お前は誰だ?」

 問われて、
 P型センキーは、

「名前かぁ……うーん……」

 1・2秒ほど悩んでから、

「蝉原勇吾とP型センキーが合体して……蝉原センキーってところかな」

「ひねりがないな」

「ユウキーとかセミキーでも、別にいいんだけど……まあ、でも、今、この瞬間においては、俺が一番強く表に出ているから、出来れば、少し強めに、俺を主張しておきたかったんだ」

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