『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

1話 『希望』。


 1話 『希望』。

「……あっけない最後だったな……いつもと同じだ……最後は、いつも空虚で、はかなくて……」

 と、P型センキーが、あっけない終焉に浸っていると、
 ――ふいに、

「……ん?」

 気配を感じて、P型センキーは視点を降ろした。
 すると、
 目の前に、


「きゅいっ」


 一匹の携帯ドラゴンが、小さな羽をパタパタさせながら、
 P型センキーの目線に合わせた位置で、ホバリングしつつ、
 P型センキーのことを、気合いの入った目で睨みつけていた。

「……センエースの携帯ドラゴンか……ふむ……」

 そこで、P型センキーは、少しだけ考えて、

「俺に奪われる直前に、コアマテリアルを分離させたのか……悲しくなるほど小規模な『最後っぺ』だな。最後の最後まで諦めないという、その気概は称賛に値するが……しかし、あまりにも意味がなさすぎる」

 やれやれと溜息をついてから、

「それで? 随分と気合いの入ったツラをしているが……俺とやるつもりなのか?」

「きゅい!」

 携帯ドラゴンは、気合い満々の顔でそう叫ぶと、
 小さな『おてて』をギュっと握って、ファイティングポーズをとった。

「……こちらとしては、たいした手間でもないから、別に構わないんだが……しかし、お前、キチンと理解しているか? どんなに頑張ったところで、お前ごときでは、俺に擦り傷一つあたえる事もできず、鼻息一つで消滅させられるという事実」

「きゅいっ!」

 百も承知っ!
 ――とでも言いたげなテンションで叫んだ、センエースの携帯ドラゴン。

「……ああ、そう。じゃあ……こいよ。ちゃんと、終わらせてやるから」

 そう言って、半身になりつつ、クイクイと手招きをするP型センキー。

 センエースの携帯ドラゴンは、

「きゅい!」

 と、叫び、
 力いっぱい握りしめた拳を、
 P型センキーの顔面に向かって、くりだした。

 ペコッ、
 という、チンケな音がした。
 当然だが、P型センキーは、わずかなダメージも受けてはいない。

 しかし、センエースの携帯ドラゴンはひるまずに、

「きゅい! きゅい!」

 と、何度も何度も、P型センキーを殴りつける。
 無意味な攻撃。
 1のダメージすら通っていない。
 けれど、『センエースの携帯ドラゴン』は、P型センキーを殴り続ける。

 ――十発ほどくらったところで、

「すごいな。さすがは、センエースの携帯ドラゴンだ。お前の目は、驚くほど澄んでいる。先ほどのセンエースと同じ。この絶対的状況下において、しかし、わずかも絶望に怯んでいない。立派だ。スゴイと思うよ。うそではない。心の底から、敬意を表そう。……だが、もういいだろう?」

 P型センキーは、憐みの言葉を並べてから、
 右手を、センエースの携帯ドラゴンに向けた。
 そして、ほんの少しだけオーラをためる。

「これで、本当に、全てが終わる……センエースの伝説は、これで終了……少しさびしいが、まあ、しかし、どっちにしろ、これは、不可避の結末。命や運命の結末と同じ。早いか遅いか……それだけの話」

 最後に、しんみりと言葉を並べるP型センキー。
 その視線の先で、
 センエースの携帯ドラゴンは、

「きゅぃぃぃ――」

 大きく息を吸ってから、
 グワっと天を仰ぎ、

「きゅぃいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」

 と、まるで、『何か』を『呼び寄せているかのよう』に、大声で鳴いた。

「や、やかましい……なんだ……?」

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コメント

  • ノベルバユーザー341225

    よし!

    1
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