センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

44話 彼の出番。


 44話 彼の出番。

「ははっ……『究極真奥義』なんて大層な名前だから、いったい、どれだけ強力な技なんだろうと期待したんだが……結局のところは、ちょっと小マシな分身か。安い、安い。……あえて言おう。しょうもないんだよ!」

 そう言いながら、セン仮面とエースロボをボッコボコにしていくP型センキー。
 センの本気を積んでいるため、どちらもハンパなく『ステの数値は高い』のだが、
 しかし、とてもじゃないが、『P型センキー(究極超神化7)』には勝てそうもない。
 決定的過ぎる戦闘力の差が痛すぎる。

「くっ……強い……」
「まさか、俺たちが手も足も出ないとは」

 二人(セン仮面&エースロボ)がそう嘆いていると、
 それまでは、後方で静観していたモンジンざえもんが、



「私の出番のようだな」



 そう言いながら、威風堂々と、
 セン仮面とエースロボを押しのけて、P型センキーと対峙する。

 そのどこまでも超越者然とした背中は、
 センたちに、あふれんばかりの勇気を与えてくれる。

「と、とんでもない気迫だ……」
「期待して……いいんだな?」
「頼んだぞ、モンジンざえもん。『俺たちの道は、こんなところで終わっちゃいない』ってことを、あのクソ野郎に教えてやれ!」

 センたちの期待を一心に背負ったモンジンざえもんは、

「吠えるなよ、ヒーロー。黙ってみていればいい。それで……すべて終わる」

 しびれる一言を残しつつ、
 P型センキーの目の前まで歩みを進めると、
 そこで、ピタっと歩を止め、
 一度、ニヒルに、

 ……フっ、

 と微笑んでから、
 泰然かつ超然としたオーラを放ちつつ、





 ――クルっと反転し、





 腰に携えていた剣を抜いて、ビシっと構えながら、
 『センたち』に向かって、

「さあ、P型センキー様にさからうブタ野郎ども。どこからでもかかってこい」

 などと言い放った。

「「「ふぁっ?!」」」

 いっそ清々しいほどの、鮮やかな裏切り。
 職人芸を見せつけてきたモンジンざえもんに対し、
 センたちは、

「き、貴様ぁあ! 寝返りやがったな!」
「みそこなったぞ!」
「もどってこい!」


「ことわる。私は常に強い者の味方だ」


「「「ざけんじゃねぇ! この卑怯者がぁ!」」」


「黙れ、カス共。『卑怯は敗者の言い訳』という『エロい人の言葉』を知らんのか。教養の足らんブタ共め。さあ、P型センキーの兄貴、一緒にあのゴミどもに引導を――ふげっ」


 言い終わる前に、
 P型センキーから、背中に蹴りをもらって吹っ飛ぶモンジンざえもん。

「足手まといはいらない」

 冷たく言い捨てるP型センキー。
 心底軽蔑している目。
 さすがのP型センキーも、モンジンざえもんを味方につけるのだけはイヤだったらしい。

 ――センたちの目の前まで吹っ飛んだモンジンざえもんは、
 当然のように、

「なに、裏切ってんだ、このぼけぇ!」
「ブタ野郎はテメェだろ! 恥を知れ!」
「おらおらおらぁあ!」

 ボコボコにされた。

「ぷぎーっ!」

 あらかた、ボコり終え、
 だっせぇ断末魔が響き渡った直後、

「けっ、このブタが。消えてろ」

 モンジンざえもんの体が、空間に溶けるようにスゥと消えた。
 それを確認すると、
 センが、

「よし、これにて儀式は全て終了。さあ、ここから本番だ。気合入れていくぞ、セン仮面、エースロボ」

「まかせてくれ、俺のセンビームは全てを無に還す」
「俺のエースパンチは無敵だ。あんなカス、ワンパンよ」

 『裏切ったモンジンざえもんをボコボコにした』ことで、
 両者は、それぞれ『最強の固有技』が使えるようになった。

 ずいぶんと手間のかかる準備だったが、
 整ってしまえば、もはやなんのデメリットもない。

 ここからのセン仮面とエースロボは最強のオプション。

「センビィイイムっっ!!」
「エースパァンチッッ!!」

 セン仮面は、究極超火力の異次元砲を放ち、
 エースロボは、究極超火力かつロケットパンチ型になった閃拳をぶち込む。

 セン仮面&エースロボは、絶妙な距離から、
 センビームとエースパンチを放ち続け、
 『近距離でP型センキーに削りをいれているセンエース』を全力で援護する。

(ちっ……なんだ、そのイカれた火力……)

 とても分身が使っているとは思えない、
 凶悪な性能の『異次元砲』と『ロケット閃拳』。
 そのハンパではない熟練度は、なんと、センの『ガチ本気(マジ)』を超えている(最大出力では流石に本体を超えられないが、異次元砲とロケット閃拳の熟練度という一点だけを見れば、二人とも、本体のセンを超えているのだ)。

 気が遠くなるほど長期にわたる狂気的鍛錬と、
 ありえないほど尖りに尖ったアリア・ギアス、
 その両方を積まないと実現不可能な、圧倒的デストロイオプション。

(なるほど、そういう技か……究極真奥義……たんなる出オチの一発ギャグかと思ったら……ずいぶんと狂ったスペックのオプションじゃねぇか……カースソルジャーなんかと同じで、直接戦闘ではなく、固有技能が強力なタイプ……)

コメント

  • ノベルバユーザー341225

    まさか、ここで見られるとは…

    1
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