『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

41話 ムカつく。だから、殺す。


 41話 ムカつく。だから、殺す。

「お前は、今まで、自分の欲望のために奪ってきた命の数を覚えているか? ああ、あらかじめ断っておくが、俺が今までに食べてきたパンの枚数は聞くなよ。俺のことはどうでもいいんだ」

「ふむ……」

 と、数秒悩んでから、

「答える前に、一つ聞いておきたいんだが、俺が奪ってきた命の数というのは、覚えておいた方がいい項目なのか? その必要性を微塵も感じないんだが」

「……よくわかった。俺の質問に答えてくれたこと、感謝する」

「まだ答えてないんだが?」

「質問しても無駄だってことがわかった。どうせ、お前は、『本当の本音』は言わない。そうだろ?」

「……俺的には、『本当の本音』ってのが、そもそもにして意味不明な概念なんだが……」

「だよな……俺もそうさ。だって、それは、きっと、真理ってよばれる至極厄介な代物。この世の誰にも理解できない、あやふやな観念。……だから、いいんだ。俺は、もう、お前からの答えを望まない」

 センエースのオーラが、増していく。
 おだやかに、ゆるやかに、
 しかし、確実に、

「P型センキー。俺は今、『命に対する思想』が歪んでいるお前に対して、とても激しい怒りを覚えている。イライラとか、不快感とかじゃない。まっすぐな憎悪と憤怒」

「そうか。まあ、お前が俺に対してどんな感情を抱こうが、別にどうでもいいんだが、しかし、一応言っておく。……その感情は、酷く傲慢だと思わないか?」

「思わないさ。お前の欲望は、俺にとって大迷惑だ。俺にとって、お前は白アリ。迷惑極まりない害虫。だから、ムカつく。だから、殺す」

「非常にシンプルで美しい解答だ。しかし、現実問題、お前じゃ俺は殺せない。なぜか。これも非常にシンプルな話で、センエースは、P型センキーよりも遥かに弱いから」

「何度も言わせるなよ、P型センキー。俺はセンエース。究極超神の序列一位、あまねくすべての命を背負いし神の王。俺は……俺より強い程度のザコには負けない」

 言葉のぶつかりあいは終わった。
 ここからは、たがいの命を殺し合う時間。

 ――先ほどの『まったくもって意味のない対話』を経て以降、
 センエースは、
 一歩、踏み込んで、
 P型センキーと対峙した。

 『強者』との闘い方なら知っている。
 センエースは、産まれた時から最強だった訳じゃない。

 というか、最弱と言っていいほど、初期ステータスはボロボロだった。

 けれど、だからこそ、
 遥かなる高みに誰よりも憧れて、
 誰よりも踏ん張って、
 どうにか、こうにか、今日まで辿り着いた。

 ――だから、
 P型センキーは瞠目した。

(器の違いか……存在値の差を考えれば、ありえないほどに削られている……イカれた精神力だけが武器じゃないって証明……バカみたいに積み上げてきた器……その強度……『この上なく美しい』と感嘆せずにはいられない)

 出力が劣っているのなら、それ相応の闘い方が、
 戦闘力で負けているのなら、それ相応の闘い方が、
 絶対に負けてはいけない闘いならば、
 ――それ相応の闘い方がある。

(素直な一手は皆無……ただただ獰猛に……俺を削る事しか考えていない、飢えた獣のような、とことんまで意地汚く、見境のない、ダーティな攻防……)

 異次元の気迫。
 むき出しの牙が、
 P型センキーに喰いこむ。

「うぐっ!」

 削られる。
 有利を殺される。
 不利を押し付けられる。

 『勝つこと』だけを考えた一連。
 『殺すこと』だけに腐心した一手。

 センエースが最も得意とする戦法、
 『センエースが誇る膨大なステータス』の中でも、最も飛び抜けている値、
 それこそが、『運命に対する反逆力』!!

 ――とはいえ!!

「本当に、お前は、存在からしてチートだな、センエース。これだけのスペック差があって、まさか、ここまで削られるとは思わなかった……普通に考えれば、こんなことは、絶対にありえない。お前だけだ。お前だけが、この偉業をなせる。命の最前線――火事場における狂気的な爆発力。お前は素晴らしい。だが、覆すまでは至らなかった。これも事実」

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