『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

28話 今、どんな気持ち? ねぇ、どんな気持ち?


 28話 今、どんな気持ち? ねぇ、どんな気持ち?

「……はぁ? なんで、そこでタナカトウシの名前が出るんだよ。つぅか、なんで、あいつの事を知って――」

「まあ、あの例外は、お前よりも短時間で、お前よりも遥かに高い場所まで駆け上がったがな。あの例外が辿り着いた場所は、今の俺が、さらに『絶死のアリア・ギアス』を積まなければ届かないほどの狂気的な高み」

「……」

「アレと比べてしまえば、お前でもゴミになってしまう。それは流石にナンセンスだと判断した。アレはあくまでも例外。比べてはいけない狂気」

 そこまで言った時点で、
 ゼッキが、

「なあ、P型センエース2号……一つだけ、教えてくれ」

 ギっと歯ぎしりをして、

「もしかして、あいつも……俺と同じように、異世界へ飛んだのか?」

 それは、問いというよりも、ただの確認だった。
 P型センエース2号の言葉以外の情報は何もない状況だけれど、
 ゼッキは、『それも、十分に、ありえるだろう』と思ったし、
 それだけではなく、もし、タナカトウシが、自分と同じような状況になったなら、
 『自分など遥かに超えていくだろう』という確信もあった。

 だから、

「あのキ〇ガイは……今の、この状態の俺よりも……強いのか……?」

「一つだけ教えてくれと言っておきながら、二つ質問するとは……豪気だな」

「答えてくれ……頼む」

「タナカトウシは、『その状態のお前』の10倍以上強い」

「……っっ」

「ちなみに言っておくと、タナカトウシが、お前と同じように、第一アルファから異世界に転移した時期は、この二次試験が始まって以降だ」

「っっっ?!」

 もし、これが、あのキ○ガイ以外の話だったなら、
 『いやいや、流石に嘘だろ。信じるか、ボケ。今の俺がどんだけ強いと思ってんだ』
 となるところなのだが、
 ゼッキは、
 ここまで異常な話を聞いても、
 しかし、普通に、
 『ありえる』と思った。

 というか、
 信じる・信じないという領域の懐疑など、ほとんどなく、
 『マジかよ、ふざけんな』と、ただただ絶望した。


「どうだ? そんな例外と比べるのは、さすがにナンセンスだろう?」

「……は、はは……」

 ゼッキは、うつむき、右手で頭を抱えて、
 力なく笑い声をもらした。

「ったく、あのクソカス野郎は……いつもだ……いつも、俺の遥か先をいきやがる……いつも、俺が必死になって積み上げてきたものをゴミにしやがる……ほんと、もう……死ねばいいのに……」

 歪んだ本音がポロリ。

 200億1万年たっても消えなかった『しこり』。
 『それ』がもっとも色濃く残っている『時期(中学三年生)』であるがゆえに、
 『本音の歪み方』にもエッジがきいている。

「なぁに、アレが例外なだけで、お前はよくやっている。タナカトウシの10分の一以下の力しか持たず、戦闘力に至っては、比べ物にならないカスっぷりだが、しかし、お前は、よくやっている。なにがどうとは言えないが、まあ、うん……よくやってる、よくやってる、えらいえらい」

 P型センエース2号の煽りを受けて、
 ゼッキの奥歯が、ギリっと、強く、強く、強く軋む。
 目が充血して、
 重たい汗がにじむ。


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