『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

18話 俺は、幽玄なる冥府の蜃気楼……


 18話 俺は、幽玄なる冥府の蜃気楼……

 魂魄が急速に高まっていく。
 異常な速度の上昇。
 その勢いは、留まる事を知らず、
 ゼンという個を、高く、高く、押し上げていく。

 ゼンが、下腹部に力を込めて、
 喉をからす勢いで、
 叫ぶ!!



「閃(せん)・聖(せい)・融(ゆう)・儀(ぎ)!!」



 宣誓の直後、
 ゼンの背中に、陰陽をゆがませたジオメトリが浮かぶ巨大な龍翼が顕現!!


 超魔王軍ゼノリカの決戦兵器ハイドラ・セイバーフッキ・ミラージュ!!

 その強大なるサブシステムとドッキングしたと同時、
 グニャリと、両者の互いの魂魄が歪みをみせた。

 一度、世界が静かになって、

 蒼よりも碧くまたたいて、

 そして、その歪みは、

 
 次第に整地されていき、


 いつしか、一柱の、輝く『殺神』となる。

 アスラシリーズの特徴である、ギラギラした凶悪なフォルムと、
 ハイドラシリーズの特徴である、奇形の禍々しさが見事に調和していた。



 聖なる輝きは、陽を裂き、陰を飲み込んで、まがまがしく濁り、

 気づけば、穢れた翡翠のオーラに変貌していた。
 嵐を想起させる凄艶(せいえん)な龍蛇と、残虐さを具現化した煉獄の烈鬼。

 弧を描きながら垂れた龍翼。
 ギラついた武道袴。
 周囲に展開させているのは、ミラージュシリーズの追加装備。
 ※ ミラージュルーク(耐性値と防御力を底上げしてくれる浮遊盾)
   ミラージュクイーン(たまに追撃してくれる気まぐれな浮遊銃)
   ミラージュポーン(攻撃力が高く従順な浮遊左手)
   ミラージュナイト(剣翼の手数を増やしてくれるオプション)
   ミラージュビショップ(常に回復魔法をかけ続けてくれる浮遊右手)

 背中から生えている八本の剣は、
 『絶死の翼』であり『蒼銀の後光』。

 その輪郭に、整った歪みを与える碧の波紋。

 脈動している蒼黒の肉と、それを部分的に覆っている洗練された装甲。
 そんな、禍々しい『脅威そのもの』を纏う、ゼン。

 装甲の接続部は絶えず発光していて、たまにブシュゥゥっと黒煙を吐いている。
 胸部で眩しく輝く、六角形で翡翠を含んだコアが、
 無尽蔵のエネルギーを生成し、
 ドクドクと駆動ラインに流し込んでいく。
 肉体にフィットした『邪悪なギュラリティフレーム』を荒々しく包み込む、
 細やかな碧を散りばめた金紫のフォトン。

 声も出ないほど神々しいのに、
 とても、美しいとは言えなかった。

 極悪極まりない、幻想的な死華が舞う。



 その美しき威容を前にしたP型センエース2号は、
 ほんのわずかな時間、心を奪われたが、

(おっと……あまりの出来の良さに、つい見とれてしまった……いかん、いかん)

 すぐに、我に返って、
 丹田に力をこめ、気合をいれて、

「……いい色だ。非常に、神々しい……その域に達したのであれば、尋ねざるをえないな……教えてみろよ、お前は誰だ?」





「俺は、幽玄なる冥府の蜃気楼。聖なる殺神アスドラ・ゼッキ・ミラージュ」





「薄味だな……お前の名乗りには、まだまだコクとホップが足りない」

「……そうか。なら、次までに、もっとノド越し良好な名乗りを考えておくよ」

「内容はどうでもいい。お前には、まだ殺戮の神を語るに足る深みを有していないというだけの事」

「……この歳で、すでに殺戮神の深みが出ていたら、それはそれでヤバいと思うんだが……」

 ポツリとそう言ってから、
 聖なる殺神アスドラ・ゼッキ・ミラージュは、その場から姿を消した。

 艶(あで)やかに時空を駆けて、
 P型センエース2号の背後をとると、
 『ゼッキに付き従う八本の神々しい剣』を、
 P型センエース2号の背中めがけて突きつける。

 直撃の寸前、
 P型センエース2号は、ゼッキの殺気に反応し、
 瞬間移動で回避した――が、
 そのムーブは完璧に読まれていた。

 ――ガシッッ!!
 と、ゼッキは、時空に逃げ込んだP型センエース2号を、
 ミラージュポーンで華麗に捕まえると、
 グルンッっと、力強く腰を回転させて、
 その勢いのまま、地面に向けて豪快に叩きつけた!

「ぐはぁっ!!」

 P型センエース2号の全身に走る衝撃。
 ブフっと、吐血が宙を舞う。

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