『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

12話 ソルエンジン、起動。


 12話 ソルエンジン、起動。

 どう考えても、現状では、ハルスの方が、ゼンよりも強い。
 だが、今、目の前に立ちふさがる『この謎少年』は、そんなハルスを一撃で飛ばしている。
 ゼンに勝ち目は万に一つもなかった。

(……くそ、くそ、くそ……なんだよ、このワケわかんねぇ状況……なんで、こんな……)

 ゼンからすれば、この現状は、わずかも理解できない、唐突すぎる超展開。
 あまりにも絶望的すぎる状況に、
 魂魄が混乱している。

 そんなゼンに、
 P型センエース2号が、ニタニタと、気味の悪い笑みを浮かべて、

「心配するな、ゼン。お前には、同機用のアンテナ基地になってもらうだけだ。本来なら、その役目はピーツが担う予定だったのだが……まあ、色々あってね」

(……やべぇな……びっくりするくらい、何言っているかわからねぇから、心配せずにはいられねぇ……つぅか、なんで、俺の名前……こいつは……ゼノリカの刺客なのか? いや、でも、なんかそれっぽくないような……ただ、これほどのケタが違う強さを持ったヤツって、ゼノリカにしかいない気が……)


 ――と、そこで、ゼンの深部にいるフッキが、

 『違う、こいつはゼノリカではない』と応えた。

 現状、表に出すことはできないが、内部で通信するくらいは可能。

 『こんなガキの事は一切知らない』
 ――との証言を受けて、

(じゃあ、マジで、こいつは、いったい……)

 より混乱の底へと沈んでいくゼン。
 そんなゼンに、

「というわけで、これから、お前には――」

 と、P型センエース2号が追加で状況の説明をはじめようとした、
 ――が、


「……ん?!」


 その途中で、
 P型センエース2号は、キっと、虚空をにらみつけ、


「ちっ……はやいな……っ」


 ボソっとそうつぶやく。
 キュっと目を細くして、
 わずかに唇をなめた。

「ソンキーに敗北した傷が癒えるまで、最低でも数時間はかかると思ったが……もう、こっちに戻ってきたか……」

 苦々しい顔つきで、親指の爪をかみながら、

「アダムの前だから、無理してカッコつけているのか……それとも、シューリに喝をいれられたか……あるいは、その両方……ちっ……理由が何であれ、まずいな……まだ、P型センエース1号の戦闘力データインストールは終わっていない……今のままでは、意味なく瞬殺される……」

 さらに数秒、ブツブツつぶやいてから、


「ちっ……仕方ない……『認知の領域外』で時間を稼ぐか……MDワールドの『領域外』で同機するとなると、ゼンが解放されてしまうが……うーむ……まあ、いくら、現状のコアインターフェイスが、最弱体の『ソル・ボーレ』とはいえ……流石に、現状のゼンごときには負けんし、構わないか」


 そこで、
 P型センエース2号は、
 パチンッと、軽やかに、指を鳴らした。

 すると、
 ゼンの視界が、グルンっと回った。
 三半規管でキャッチボールでもされたみたいに、

「うえぇっ!」

 極度のめまいにおそわれる。
 しばらく、グルグルと回っていたが、
 ある瞬間に、
 ピタっと、視界が正常に戻った。

「っ……なんなんだよ、ちくしょう……いろいろ、いい加減にしろ」

 じゃっかん残っている頭の痛みにたえながら、
 ゼンは、視線をあげた。

 すると、
 そこでは、



「――ソルエンジン、起動。モード『フィクシード・エンプティ』――」



 コアオーラをフル回転させているP型センエース2号がいた。


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