『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

9話 勇者ハルスの慟哭。


 9話 勇者ハルスの慟哭。

「こいつ宗教家かよ……クソが、クソが、くそが……お、俺は……こんな頭おかしい妄想バカなんぞに負けたのか……なさけないとかいう次元じゃねぇ。……全力で死にてぇ」

 苦虫をかみつぶした顔で吐き捨ててから、
 キっと視線を強くして、
 ハルスは、パガロに、

「も、もう一度だ! もう一度、挑戦する! てめぇみたいなバキバキにイカれたサイコ野郎に、この俺が負けるはずがねぇ。『神』などという、クソ以下のアホな虚構にすがるカスに、この俺が負けちゃいけねぇんだよ!」

「無駄だ。何度やっても、お前では、私に触れる事も出来ない。神の光に触れた私が、神を想う事すら出来ない痴(し)れ者に負ける事などありえない」

「ずいぶんとほざくじゃねぇか! なら聞かせろや! 神ってのはどんなヤツだ?! 会った事があるなら、答えられるだろ! てめぇの目に、神はどう映った!」

「この世の何よりも尊き光……輝きの結晶」

「そんな、抽象的なおべっかは求めてねぇ! お前の、そのハンパじゃねぇ強さが、神に由来すると本気で語るのなら、その理屈を説明しろと言ってんだ!」

「私ごときに、神を説く事などできるはずもなし。私は、おそれおおくも、神に触れる機会をあたえられ、もったいなくも、その尊き光によって導かれただけ。私の心に宿った神は、いまも、私を照らしてくれている。この上なく大きな……全てを包み込む光……」

「……くそが! しょうもないゲーム上の話とはいえ……こんな、まともな会話の一つもできない、完全にイカれたキ○ガイに、俺は負けたのか! どちくしょう!!」

 頭をかきむしり、奥歯を折る勢いで歯ぎしりをするハルス。

 そんなハルスの横で、
 ゼンが、

「うわぁ……マジかよ……せっかく稼いだ5万MDP……全部スっちまった……どうすんだ、この惨状……」

 ハルスが負けるわけないとタカをくくり、
 ここまでに稼いだチップをすべて、ハルスが勝つ側に投じた結果、
 まさかの大敗退。

 一瞬でスッカラカンになったゼン一行。

 ※ ちなみに、ハルスがパガロと闘うようになった経緯は単純明快。
 表のカジノで行われた、期間限定イベント『トランスフォーム・バトル大会』でハルスが、他の挑戦者を圧倒した結果。
 ゼンも参加し、いいところまではいったのだが、
 さすがに、ハルスには勝てなかった。
 エグゾギアが使えれば、当然、ゼンがハルスに負ける理由はないが、
 トランスフォーム・バトルにおいては、素の戦闘力のみが問われるため、
 ちょっとまともな一閃が使えるようになった程度の『今のゼン』では、
 ――まだまだ、ハルスには勝てない。


「こ、この俺が、負けるわけねぇ……負けていいわけがねぇ……お……俺は……世界最強の勇者ハルス・レイアード・セファイルメトス……こんなカスに負ける訳がない風雅な刃……勝ち続ける事しか許されていない狂気の暴風……」


 ワナワナと震えながら、
 ブツブツと、そんな事をつぶやくハルスに、
 神を知る男パガロは言う。

「お前が誰かなど関係ない。私は神を知っていて、切に神を求めている。だから、お前ごときには負けない。単純な話」

「支離滅裂にもほどがあんぞ。『いっさい理屈になってねぇ戯言』を垂れ流すのはそこまでだ。構えろ。不和を正す。最強は俺だ」

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