『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

2話 お前がピンチになっても助けない。しかし、俺がピンチになったら助けてくれ。


 2話 お前がピンチになっても助けない。しかし、俺がピンチになったら助けてくれ。

「これだけの速度でダンジョンを攻略できたのは、おそらく、ピーツが、あの妙な暗号を解読してくれたおかげだろう。というわけで、最大の功労者であるピーツに、強化パーツを最初に選ぶ権利を与えよう」

「あ、どうも、あざーす」

 功績をたたえられ、好きなものを選べる権利を得たピーツは、

(☆9はかなりの希少アイテム……とはいえ、今装備させている強化パーツと比べれば普通にゴミだから、どれもいらんなぁ)

 などと思いつつ、
 味方の強化も念頭にいれながら、

「じゃあ、これで」

 と、『最も使いものにならないであろうゴミアイテム』を選別した。

 その後、他のメンバーが、それぞれ、強化アイテムを選び、
 自身の携帯ドラゴンを強化していく。

 ☆9の強化アイテムの効果は凄まじく、
 大学校チームは一気に強化された。
 順調これ極まれり。
 あまりに楽勝。


(このままいけば、二次は楽勝だな……つぅか、まあ、俺の携帯ドラゴンがいれば、二次だろうが、三次だろうが、関係なく、ずっと楽勝だろうけど)


 などと、心の中でつぶやいた直後のことだった。

 宝箱から全てのアイテムを回収し、
 それでは撤収を――と、カルシィが踵を返したと同時、






[――迎撃トラップ『家に帰るまでが遠足』を発動。侵入者チームは二手に分断され、ランダム転移を受けます。逃れる術はありません]





 電子音みたいな声が響いたかと思ったら、
 シュンと、転移特有の音が響いた。

 直後に感じた、一瞬のたちくらみ。
 地に足がついていないような不安感とともに、
 グルグルと視界がまわって、
 じゃっかんの吐き気におそわれた。

 その不快な無重力感は数秒で落ち着き、
 そして、気付けば、

「……おいおいおいおい、よりによって、お前と一緒かい……」
「まんま、こっちのセリフですよ、コバンザメ先輩」

 知らない場所に転移しており、
 隣には、ボーレしかいなかった。

 両者とも、『根本的な頭の出来』が悪いわけではないので、事前の電子音と現状から、『自分たちの状況(転移のワナをくらい、かつ、二手に分断された)』を一瞬で判断し、
 ――そして、だからこそ両者ともに絶望した。

「最初に言っておくがな、ポンコツ後輩。俺は、お前がピンチになったら、全力で逃げる」
「言われなくても分かってるよ」
「だが、俺がピンチになったら、ぜひ助けてくれ、親友」
「すげぇ神経してんな、あんた」

 くだらない会話をしつつも、
 二人は、飛ばされた先のフロアを探索して、次の道を探る。

 次のフロアに進む道はすぐに見つかって、

「おっ、進める、進める……このまま、なんの障害もなく、出口まで進めますように」

 と祈りながら先に進むボーレの背中を見ながら、
 ピーツが、ボソっと、

「あっちのチームも、うまく進めているかな……」

 そうつぶやくと、
 ボーレが、渋い顔をして、呆れまじりに、

「誰が、誰の心配してんだよ。少なくとも、俺らよりは大丈夫に決まってる。というか、こっちがひどすぎる。どうせ気を配るんなら、とんでもないお荷物を抱えている俺の心配をしてくれ」

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