『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

54話 どっちが『かませ犬』?


 54話 どっちが『かませ犬』?

「ははははははは!! 私が! 真に完成していく!」

「面白いな。ゴミみたいなカケラを回収しているだけだというのに、雪だるま式に存在値が膨れ上がっている……どういう理屈だ? 聞いてやるから、一説ぶってみろ、虫ケラ」

「もともと、私達は、『原初の個体』から別れたフラグメント! それぞれが、それぞれの『数パーセント』を保有している」

「なるほど。ようするに、お前らは、デフォルトで『合体すればするほど存在値が増すスペシャル』を持っているってことか、単純だな」

 実際のところ、バグの内部では、複雑な存在値の計算式が用いられているし、
 『無数のアリア・ギアスを積んでいる』が故に可能となっている特殊必殺技なのだが、
 ソンキーの視点だと、そんなことは、どうでもいい。

 戦闘バカのソンキーにとって大事なことは一つだけ。

「お前の『器』……いい感じに仕上がってきたじゃねぇか」

 トントンと、その場で片足ジャンプをしながら、

「お前は、もはやオモチャじゃない。俺を殺しうる可能性を秘めた『俺の敵』だ」

「殺しうる可能性? ……いい加減、現状を理解したらどうだ? 私は真に完成した。今度こそ、本当の本当に完成した……私こそが、運命に準ずる真なる傷跡、究極超最終形態ネオグレートバグ。全てを終わらせる世界の影」

「いい虚仮(こけ)だ。俺を引き立たせる『かませ犬』として満点合格」

「かませ犬はそっちだ。貴様は、私に壊されて、奪われて、私の一部になる。そして、私は、より強大な傷跡となる」

「詠(うた)うねぇ、はしゃぐねぇ……」

 ニィと微笑んでから、

「そのぐらい威勢がいいと、こっちのテンションも素直に上がる。さあ、もう舞台を整える時間は終わりだ。――終焉を始めよう」

 そこで、
 ソンキーは、大量の剣を召喚し、世界に配置する。
 全ての剣に、これでもかとオーラと魔力を込めて、

「逃げ場を殺してやる。抗えない死を積み重ねてやるよ。その意味がわかるか? ……つまり、お前は死ぬ」

 隙間なく、
 認知空間を、『剣で描かれたジオメトリ』で埋め尽くし、
 魔法を連鎖爆破させて、
 限界なき火力の底上げをはかる。

 究極の『バ火力』ビルド。
 ソンキーという『戦闘バカ神』を丁寧に体現しているような、ド直球の脳死構成。

 闘いの中で、極まった武の美を積み重ねるごとに、
 ソンキーの神気はより深く練り上げられていく。

 ただ強く、より強く、もっと強く。

 その回転率のみに固執した強さを、
 トウシという歯車が見事に料理する。

 鮮やかに噛み合って、
 昇華されていく。

 ソンキーは美しかった。
 凶悪な強さで、
 見事な象(かたち)を魅せた。

 ソンキーは何も間違えなかった。
 トウシとのシナジーで、
 完全なる闘神として、最果ての武を世界に魅せつけた。

 ――なのに、

「見えた!! 届く! この上なく美しき神ソンキー・ウルギ・アース! 私は、貴様を超えていける! 見ろ! これが私という個の極地! 世界を喰らい尽す、因果の最果て!! 全ての絶望を絶望させる、閃陰の終着点! アンリミテッド・トランスフォーム・モード【舞い散る閃光】!!」

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