『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

46話 バックドア。


 46話 バックドア。

「おお、流石にお前が表層に出てきたら、全然違うな。ええぞ、ウラスケ。強い、強い」
「どんっだけ、ぼくのこと、ナメてんだ、このクソヤロォォオオ!!」


「ナメとりゃせんよ。お前は天才や。その歳で、それだけ鋭く動けるやつは、そうそうおらん。いやぁ、すごい、すごい。頭が正常で、そんなに天才だなんて、ひゅう♪ さすが、ウラスケさんは格が違った。よっ、宇宙一」

「……このサイコテロリストがぁ……ぜ、絶対に殺したる……」

 黒い怒りに支配されると、
 ウラスケの存在値がグワっと上がった。

 その姿を見て、

「やっぱり、煽り耐性が若干低くなっとるな。あきらかに洗脳を受けとる状態――」

「洗脳なんかされとらん! ぼくは! ぼくの意思で――」

「こんだけズバっと指摘されても、まだ、わずかも自分を省みてない時点で平静ではないやろ」

「……うるせぇ、うるせぇ、うるせぇ! 余計な言葉で、ぼくを汚すなぁ! ほんと、ムカつくんだよ、てめぇえええええ!!」

 血走った目。
 胸に刻まれた闇の亀裂がドクドクドクッッと強く脈動する。

 ウラスケの頭の中が、どんどん黒く染まっていく。
 怒りが積もっていく。
 複雑なメモリが、歪に改竄されて、感情の制御が出来なくなる。

 ウラスケの顔色が蒼黒くなる。
 グチャグチャの逆上。

 覚えのない怨嗟まで積み重なって、
 心の奥で、陰鬱な雨が降る。


「はっ、はっ、はっ、はっ、はっ」


 何周も回った激憤が、
 ウラスケのギアを上げた。

 集中力が、ドンドン高まっていく。
 いつまでも深くへと潜れる。
 集中力はカンストしていると思っていたが、
 まったくそんなことはなかった。

 いける。
 まだまだいける。

「はっはっはっはっハッ――」

 ある種の終着点に達したところで、
 ウラスケは、



「見つけたぞ……バックドア……」



「……ん?」

「リンク完了。最適化まであと……三……二……一……ゼロ」


 シンと、
 ウラスケを中心に、世界が静かになった。

 ピリっと、節度をわきまえない電流が先走った。


 ニィ……
 と、ウラスケは黒く笑う。
 グググっと、魂魄の芯が盛り上がっていく。

「すっげ……なんや、このアホみたいなケタ違いっぷり……どれだけあるか見当もつかん」

「……何を言うとるんや、お前」

「くくく……ぼくも、よぉわからん……けど、ぼくと融合したことで、この『ネオバグ』は、正式に、『ネオグレートバグ』に進化できた……その結果、『どこか遠くの誰か』が稼いだ『異常な量の余剰経験値』を共有できるようになったんや……」

「……?」

「わからんか? わからんよなぁ……安心せぇ。ぼくも、たいして分かってへん」

 言ってから、スっと深く息を吸って、

「タナカ・イス・トウシ……ここからのあんたは、ただ嘆いていればいい……あんたは、タナカ・イス・ウラスケという、『絶対に怒らしちゃいけないヤツ』を怒らせてしまった……だから、死ぬ。当然の話」

 グググっと、
 まだまだ膨れ上がる。

 先ほどからずっと、止まらない。

 ウラスケの芯に、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、変革が起こる。
 革命のファンファーレが鳴りやまない。



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