『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……
43話 家柄という勲章。
43話 家柄という勲章。
「はいよ、っと」
「がはぁああああ!!」
側頭部を地面に打ち付けて脳天が揺らぐ。
首の骨がゴリっと折れて、派手に吐血。
ブシャリと鮮血が舞う。
「ごほっ、がはっ……なっ、どういう……なぜ……」
すぐさま立ち上がり、首の損傷に適切な対処を施しつつ、
ネオバグは、
威風堂々としているトウシを睨みつける。
登場してからずっと、トウシは、超然としていた。
静寂のオーラを纏い、
虫を見る目で、ネオバグを見下している。
「魔力もオーラも、私の方が大きい! それは事実! だから! こ、こんな事にはならないはずっ……いったい、どういうこと……っ?!」
ネオバグの見立てでは、タナカトウシよりも、自分の方が存在値は高い。
こんな、子供あつかいされる理由はない。
「戦闘力の差……? いや、ありえない……だって、私の戦闘力はタナカウラスケをベースにしている……昨日の闘いで、タナカウラスケは、武の髄に触れている……タナカウラスケは高みに至った達人……戦闘力に差など生じるはずがない」
「お前、どんだけ、『ワシの資質』と『武の奥深さ』をナメとんねん。……昨日今日、髄に触れただけやのに、ワシとは、もう差がない? お気楽かましてくんのも大概にせぇよ」
「タナカウラスケは、傑作であるあなたに匹敵する『突然変異』……あなたの方が個体値的に『上位種』である事実は認めるが、しかし、『完成度』にさほど大きな差はないはず」
「まあ、資質という点で言えば、実際のところ、ウラスケとワシの間には、そこまで差はない。ワシと同じ道を歩めば、ウラスケも、ワシと同じ場所まで辿りつける可能性がなくもない。それは否定せん。ただ、今のワシとウラスケでは、積み重ねたものが違いすぎる。今のウラスケでは、今のワシには絶対に勝てん」
と、そこで、
「聞き捨てならん発言やな……」
それまでは、ただとりこまれていただけだったウラスケが、
ネオバグの表層に出てきて、
「産まれた時期が『一年はやい』だけで、どんだけ調子に乗っとんねん。あんたとぼくの間にある差は、『縮めようがない』と断言されるほどやない。ぼくが、あんたに『絶対に勝てん』というんは、流石に言い過ぎや」
イラ立ちを抑えられない口調で、
「何度も言いたないけど、ぼくかて、タナカ家の血筋をひいとるんや。あんたのスペックが異常に高いんは知っとるけど、同じ土俵で闘って、ぼくがあんたに『絶対に勝てん』なんてことは、それこそ絶対にない」
『普通でありたい』と願っていながら、
しかし、目の前で、自分の価値を否定されると、
こうして強く反発してしまう。
『特有の異常者』として扱われるのはイヤなのだが、
『劣っている者』として扱われるのは我慢できないという妙なプライド。
タナカ家の人間であるという事に対し羞恥を抱くと同時、
タナカ家の人間であるという事に対し誇りを抱いている。
複雑に見えて、実は、稀によくみられる、
『家柄』という特殊なメソッドに対する歪んだスタンス。
そんなウラスケの想いを受けて、
――トウシが言う。
「同じ土俵で闘うなら、な。何度も言わすな。お前の可能性を、ワシは一つも否定してへん。ただ、今、この瞬間において、ワシとお前は、同じ土俵に立ってへん。そんだけ」
「はいよ、っと」
「がはぁああああ!!」
側頭部を地面に打ち付けて脳天が揺らぐ。
首の骨がゴリっと折れて、派手に吐血。
ブシャリと鮮血が舞う。
「ごほっ、がはっ……なっ、どういう……なぜ……」
すぐさま立ち上がり、首の損傷に適切な対処を施しつつ、
ネオバグは、
威風堂々としているトウシを睨みつける。
登場してからずっと、トウシは、超然としていた。
静寂のオーラを纏い、
虫を見る目で、ネオバグを見下している。
「魔力もオーラも、私の方が大きい! それは事実! だから! こ、こんな事にはならないはずっ……いったい、どういうこと……っ?!」
ネオバグの見立てでは、タナカトウシよりも、自分の方が存在値は高い。
こんな、子供あつかいされる理由はない。
「戦闘力の差……? いや、ありえない……だって、私の戦闘力はタナカウラスケをベースにしている……昨日の闘いで、タナカウラスケは、武の髄に触れている……タナカウラスケは高みに至った達人……戦闘力に差など生じるはずがない」
「お前、どんだけ、『ワシの資質』と『武の奥深さ』をナメとんねん。……昨日今日、髄に触れただけやのに、ワシとは、もう差がない? お気楽かましてくんのも大概にせぇよ」
「タナカウラスケは、傑作であるあなたに匹敵する『突然変異』……あなたの方が個体値的に『上位種』である事実は認めるが、しかし、『完成度』にさほど大きな差はないはず」
「まあ、資質という点で言えば、実際のところ、ウラスケとワシの間には、そこまで差はない。ワシと同じ道を歩めば、ウラスケも、ワシと同じ場所まで辿りつける可能性がなくもない。それは否定せん。ただ、今のワシとウラスケでは、積み重ねたものが違いすぎる。今のウラスケでは、今のワシには絶対に勝てん」
と、そこで、
「聞き捨てならん発言やな……」
それまでは、ただとりこまれていただけだったウラスケが、
ネオバグの表層に出てきて、
「産まれた時期が『一年はやい』だけで、どんだけ調子に乗っとんねん。あんたとぼくの間にある差は、『縮めようがない』と断言されるほどやない。ぼくが、あんたに『絶対に勝てん』というんは、流石に言い過ぎや」
イラ立ちを抑えられない口調で、
「何度も言いたないけど、ぼくかて、タナカ家の血筋をひいとるんや。あんたのスペックが異常に高いんは知っとるけど、同じ土俵で闘って、ぼくがあんたに『絶対に勝てん』なんてことは、それこそ絶対にない」
『普通でありたい』と願っていながら、
しかし、目の前で、自分の価値を否定されると、
こうして強く反発してしまう。
『特有の異常者』として扱われるのはイヤなのだが、
『劣っている者』として扱われるのは我慢できないという妙なプライド。
タナカ家の人間であるという事に対し羞恥を抱くと同時、
タナカ家の人間であるという事に対し誇りを抱いている。
複雑に見えて、実は、稀によくみられる、
『家柄』という特殊なメソッドに対する歪んだスタンス。
そんなウラスケの想いを受けて、
――トウシが言う。
「同じ土俵で闘うなら、な。何度も言わすな。お前の可能性を、ワシは一つも否定してへん。ただ、今、この瞬間において、ワシとお前は、同じ土俵に立ってへん。そんだけ」
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