『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

42話 『タナカ・イス・トウシ』VS『ネオバグ』


 42話 『タナカ・イス・トウシ』VS『ネオバグ』

「……あなたが神話狩りの『聖主』? ……レコードのデータから鑑みるに、あなたが『そんな地位に収まる』のは、ありえないと思うのだけれど……」

「最初にちゃんと言うとくけど、自分から言い出したわけやないからな。周囲の連中から、高度な嫌がらせ・レベルの高いイジメを受け取るだけ……そこんところ、勘違いせんように」

 トウシが喋っている間、
 ネオバグはずっと、彼のオーラを分析していた。
 高純度の解析能力などは持ち合わせていないが、
 オーラの質から、在る程度の攻略法は検算できる。


(これがタナカ家の傑作『タナカ・イス・トウシ』……なるほど、おそろしく強大……『完成した私』に匹敵している……凄まじい……)


「なんや、ワシを探っとるような目やな……安心せぇ。お前ごときでは、ワシを解する事は出来んよ」


「ずいぶんな自信家ね……まあ、そこまでの高みに至っていれば、鼻が高くなっても仕方がないけれど」


 そこで、ネオバグは、自身のコアオーラに発破をかけて、魔力とオーラを増幅させ、

「あなたがとてつもなく巨大な存在だという事は認めるわ……けれど、残念。少し足りないわね。私は、もっと歪んだ存在なの。辿り着いた虚無。全てを終わらせる闇。――私は、あなたよりも美しい」

 ニタっと笑って、

「ニルヴァーナ・コア、起動!!」

 ギアを上げた。
 胸部に付着している『カラータイマー的な何か』が、煌々と輝きだす。

「どう? わかる? 見える? 私が、あなた以上だって事実! あなたは、凶悪なオーラの持ち主だけれど、私はそれをも凌駕してしまっている! 完成した私が、真の頂点だという証! あなたは、私が完成した事を証明してくれる量(はか)りにすぎない!!」

 豪速のステップ。
 残像を残し、跳躍。
 踏み込んだ左足が轟音と爆風を起こす。
 ジオメトリの後押しをうけて、振り上げた拳が加速する。

 この速度に反応できるわけがないという見立ては、

「よっこらせ、と」

 ――あっさりと覆された。

 拳を絡めとられ、
 まるで体育教師の実演みたいに、
 ゆっくりと、背負って、投げられた。

 非常に滑らかな一本背負い。
 くるりと、弧を描いて、地面へ――

「がはっ!!」

 背中にガツンと強い衝撃。

「なっ――」

 全身が痺れていたが、
 そんな事はどうでもよかった。

「っ……なんで……」

 からっぽの疑問で埋め尽くされる脳内。
 『現状に対する理解』がまるで追いついていない。
 なぜ、自分は転がされているのか。
 さっぱり分からない。

「なっ……なにをしたぁああ!」

 ネオバグは、クンと、背中に力を込めて、即座に立ちあがって、
 再度同じように――とはいえ、先ほどとは少しだけ違う角度から、流水のような特攻を決めた。
 魔力の質を『反射』に設定してみたり、
 オーラに純度の高いエクシードを積んでみたり、

 いくつかの小細工を込めて、
 『丁寧な削り』を求めたが、

「はいよ、っと」

 タナカトウシは、その細い両手で、ネオバグの肩と腰を軽く掴み、両の腕を交差させるようにひねった。
 それは、非常にゆったりとした動きで、だから細部まで視認できて……
 なのに、回避するコトはおろか、距離をとるコトもできず、

 気付けば、ネオバグの視界は揺れて、
 その体は、クルンと側転していた。

「がはぁああああ!!」




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