『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

21話 遊びでやってんじゃねぇんだよ。


 21話 遊びでやってんじゃねぇんだよ。

 神話狩りの台頭で、
 ネオバグたちは、活動を開始した。

 積極的な、世界の捕食。
 神話狩りという『天敵』に『対抗』する為の戦略的反発。

 こう聞くと、
 『神話狩りが動いたせいで、ネオバグも活性化した』
 『神話狩りが余計なことをしなければ、やつらはおとなしくしていた』
 とも捉えられる。

 しかし、それは誤解。
 神話狩りによるネオバグの喚起は、人類にとって、間違いなく最善手。
 あくまでも、ネオバグの『世界に対する浸食時期』が早まったというだけ。
 どっちみち、ネオバグは、いつか、世界を喰らい始める。
 ネオバグとは、そういう生命だから。
 ――ならば、対処は早い方が賢明。


 神話狩りは何も間違っていない――と、神話狩りのメンバーは信じている。


「そして……おれの容姿を見れば分かると思うが、おれたち神話狩りのメンバーは、全員、中学三年生。お前の年齢と大差ないクソガキばかりだ」

「マジか……やけに若いヤツばっかりが来るなぁ、とは思っとったけど……まさか、若いヤツしかおらん組織やったとは……」

「ハッキリ言うが、おれたちだって、いっぱいいっぱいなんだ。責任という重圧に、いつだって、押しつぶされそうになっている。」

 あえて『疲れ』を隠さずに、
 虹宮は、言葉に重ダルさを持たせ、

「偉大なる我らの聖主が、『この世界の代表』という最も大きな責務を背負ってくれているから、なんとか耐えられているが、もし、聖主がいなければ、いまごろ、精神を病んでいたことだろう……まあ、聖主がいなければ、神の試練を乗り越えられなかったから、『聖主がいなかったらどうこう』というのは、絶対的に成立しえない破綻した空論だが」

 ふぅと、熟成されたサラリーマンのようなため息をはいて、

「聖主にはいくら感謝してもしきれない。――なあ、想像できるか、クソガキ。全人類の命運を背負うというその重圧が。お前に、わずかでも想像できるか?」

「……」

 問われたって、当然、答えなど持ち合わせていない。
 全人類を背負ったことなどないし、そもそも背負う気も一切ないから。



「……こちとら、遊びでやってんじゃねぇんだよ」



 虹宮は、一呼吸入れてから、
 キっと、視線に力を込めて、

「退屈しのぎでヒーローごっこをやっているわけじゃない。刺激・スリルを求めて異能ゲームを楽しんでいるんじゃねぇ。最初、そういう感覚がゼロだったとは言わないが、そんなお気楽が、現実を前にして、長く続くわけねぇだろ」

 虹宮の想いが、

「おれたちは、この世界を守るために、必死になって、歯を食いしばって闘っている。辛くて、苦しくて、仕方がねぇが、しかし、おれたちしか出来ないんだから、しょうがないだろ」

 静かに爆発する。

「おれだって、そこらの中3みたいに受験勉強だけやっていたいんだよ。満点目指して教科書反復して、たまの休みにカラオケでストレス発散して、映画見て、ゲームして、ガキらしくタバコや酒やSEXに憧れて……そういう退屈な人生の中で、『世の中つまんねぇ』って文句たれながら、ダラダラして、権利を贅沢に消費して……」

 かつて、虹宮は、そういう中学生だった。
 その退屈からの脱却を願っていた。
 しかし、いつだってそう。
 大事なモノの価値は、なくして気づく。

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