『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

18話 神の試練を乗り越えた者。


 18話 神の試練を乗り越えた者。

「偉大な英雄ねぇ……」
「何か言いたいことでも?」
「英雄やったら、救いを求める声に耳を傾けろや」

 ド直球に切り込んできたウラスケの言葉を、
 虹宮は、一度鼻で笑ってから、
 少しだけ言葉を整えて、

「傾けてくれたさ。聖主はなぁ……自分の命が危なかろうと関係なく、『助けてくれ』と叫んだ弱者のために、自ら迷わず地獄に飛びこんだ。おれは、そんな聖主の姿に憧れた。だから、おれは強くなれた」

「なら、なんで、繭村の声には耳を傾けてくれんのや」

「そこの彼女は、救いを求める弱者ではなく、弱者に脅威を与えるバケモノだから。前にきた二人が説明したはずだが?」

 そう言い捨てると、
 虹宮は、ギアを一つあげたように、
 先ほどよりも、火力と速度を上げて、ウラスケに対し、磨かれた武を叩きこんでいく。

「ぶはっ! くそっ! なんで、当たらへんねん! 鬱陶しいのう! お前、強すぎなんじゃ、くそったれ!」

「……こちらも驚いている。お前は、とてつもなく強い。磨かれた強さではなく、単純な資質。天然の原石。……たまにいるんだよ、お前みたいなヤツが……生まれつき、極端に偏った武の才能を持った者――」

「あのさぁ……一つ、聞かせて欲しいんやけど……その、武の髄? って、どうやって理解したん?」

「神の試練を受け、乗り越えた」

「……あの二人も、なんか、そんな妙な事言うとったな……なんやねん、神の試練って」

「厳しい試練だった……常に死と隣り合わせの地獄だった……だが、おれは乗り越えた。だから、負けない……絶望を知らない一般人に、おれが負けることはありえない。お前の才能がいかに破格であろうと、ここでおれがお前に負けることは絶対にない」

 そこで、虹宮は、闘いの手を止めて、

「質問に答えてやったんだ。お前も、おれの質問に答えろ」

「……なんや……」

「携帯ドラゴンの力……どうやって手に入れた? ちなみに、隠すなら、どんな手を使ってでも吐かせるつもりだと、最初に言っておく」

「別に、『同じような力を持っとる相手』に隠すつもりはない。隠すほどの理由とかないからな」

「では、教えてもらおうか」

「偶然や、偶然。それ以外のなにものでもない」

「……」

「疑うな。マジやから。あれは、二年くらい前のこと……つまり、小6の時、スマホで『携帯ドラゴン』のアプリを起動したら、目の前に、メルクリウスが出てきた。以上。そんだけ。それ以上でもそれ以下でもない」

「二年前から……」

 虹宮は、うつむいて、ぶつぶつと声を漏らしてから、

「過去に、携帯ドラゴンが絡んでいるであろう『奇妙な事件』が起きたという話を聞いたことは一度もないが……」

「ぼくは、凡人でありたかったから、妙な力を手に入れたから言うて、はしゃいだマネはせぇへん。『メルクリウスには何が出来るんやろう』という知的好奇心を満たすために、ちょっとだけ実験はしたけど、それやって、人様にはいっさい迷惑をかけてへん」

(こいつが、そうだったとしても、他の奴も、そうだとは限らない……もし、仮に、複数人が、携帯ドラゴンを入手していたとしたら、確実に、一人か二人は、携帯ドラゴンを使って、大きな事件をおこすはず……)

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