『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

13話 ごめんなさい。


 13話 ごめんなさい。

「覚悟なら出来とる。どうしてもやる気なら、とことんやったる。けど、そんな不毛な闘いをするより、プラスの対処方法を考えた方が賢明やと思うで」

 などと言われても、
 もちろん、立場上、そんな妥協は認められない二人は、
 返事をすることなく、

「覚悟ならできている、か。簡単に言うじゃないか。地獄の一つも知らないくせに」
「絶望の意味も知らない世界をナメたガキ……後悔の仕方から学びやがれ」

 一言ずつ感想を述べてから、

「それでは、また、近いうちに」
「じゃあな、キ○ガイ」

 そう言い残すと、
 岡葉と味崎は、次元裂を通って、この場から去っていった。
 スゥっと、なでるような風が吹いた。

 残されたウラスケは、天を仰ぎ、

「はぁぁ……」

 と、一度、深い溜息をついた。
 他者と『強い意志を持って対峙する』というのは苦手だった。
 精神をごっそりと削られるから。

 ――数秒ほど、弛緩した空気に浸っていたが、

「……ごめんなさい……」

 ふいに、アスカがそう言ったことで、また、空気が淀み始めた。
 うつむいているアスカに、ウラスケは、慎重に言葉を選びながら、

「なにが?」

 そう尋ねると、

「さっき……とりみだして、みっともなく、甘えたような、無様を晒してしまって……ごめんなさい」

「それは、もしかして、『助けて』って発言の事を言っているのか?」

 ウラスケの問いに、アスカは小さく頷いて、

「私は、やっぱり、死んだ方がいいみたい……」

 泣きそうな顔で、そう言ってから、

「自分ではどうしても自分を殺しきれない。覚悟がない訳じゃないけれど、物理的に不可能なの……けど、どうやら、あなたはとても強いみたいだから、きっと、私を殺し切ることができると思う……だから……」

 そこで、アスカは、ウラスケに対して、
 スっと、土下座の姿勢をとって、

「私を……殺してください……お願いします」

 その姿を見て、ウラスケの額に、青筋が浮かんだ。
 ブチ切れている表情。
 ウラスケの中で、怒りが膨らんだ。

 言葉に変換し切れない強い怒りを、グっと飲み込んで、

「くだらん事を言っとらんで、事情を説明せぇ」

「……」

「あいつら、ネオバグがどうたら言うとったけど……それはなんや?」

 アスカは、数秒、黙ったが、
 今のままでは、先には進めないと判断し、
 顔をあげて、

「私も、コレについては詳しく知らない。詳しくというか、実際のところは何もしらないの。名前だって……さっき、初めて聞いた」

「……それで?」

「それで、って……だから、私は、ネオバグについては何も――」

「だからぁ! 『名前も知らんくらい、ネオバグについて詳しくないこと』はもう充分に分かったから! ……分かっとることについて、全部、話してくれ」

「ぇと……」

 それから、アスカは、とつとつと、

「……コレに取りつかれたのは……たぶん、小5の時」

「たぶんねぇ……不確定の理由は?」

「発症したのが、その時からってだけで、もしかしたら、その前からとり付かれていた可能性があるから」

「なるほど。OK。続けて」

「私が、コレを認知したキッカケは……両親の暴力。……私は……虐待されていたから」

「……ぉお……また、ずいぶんとヘビィな話になりそうやな。できれば聞きたくない話やけど……状況的に、耳をふさぐわけにもいかんからな……続けてくれ」




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