センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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9話 偉大なる聖主を仰ぐ秘密結社、神話狩り。


 9話 偉大なる聖主を仰ぐ秘密結社、神話狩り。

「ちょ、待て、そこの二人、動くな、とまれ……ぼくの話を聞け」

 強い言葉で牽制した。
 二人は、ウラスケの言葉に威圧されたりはしなかったが、
 一応、足を止めて、

「止まってやったぞ。言いたい事があるなら、手短に話せ」

 味崎がそう促すと、ウラスケは、
 間をとるように、ゴホっと、セキをしてから、

「さっきのあんたら二人の会話、ちょっとだけ聞こえとったんやけど……」

 そこで、チラっと、アスカに視線をおくり、

「繭村の……この女の事を殺す……的な事を言うてなかったか?」

「ああ、言った。そのバケモノを排除する。それが俺たち、『神話狩り』の仕事だ」


「……神話狩り……」


「そう、ボクらは神話狩り。閃光を狩った流星。神殺しを成した、偉大なる『聖主(魂魄に最強神を宿す、若き究極超神)』を仰ぐ秘密結社」

「ものごっつい厨二感やな……まあ、別にええけど……で、その神殺しの秘密結社様が、なぜゆえ、こんないたいけな女子中学生を殺そうとしてんのか、ご高説願おうか」

「その女が、いたいけな女子中学生の皮をかぶったバケモノだから」
「そして、その化け物を狩るのがボクらの仕事だから」

 淀みない即答。
 迷いも揺らぎもない、確かな信念を感じた。

「バケモノねぇ……まあ、確かに、さっき見てもうた一連は、普通ではなかったけど……」

 そこで、ウラスケは、アスカをかばうように、
 彼女と、岡葉たちの間に立つ。

 その明確な意思表示を受けて、岡葉が、

「なぜ、そのバケモノをかばうのかな?」

「なんでやろうなぁ……自分でもイマイチわからへん……」

 そう言ってから、ウラスケは、

「一つ、聞きたい事があるんやけど、こいつを殺すんやなくて、助ける事は出来んかな? まだ、こいつの事情をほとんど知らんから、これは、ただの予測になるんやけど……たぶん、こいつは、救いを求めとる。絶命にすらすがるほどの絶望の底にあって、だからこそ、本物の救済をもとめとるんや……そういうヤツを助けるんが、いわゆる、正義の味方的なアレ……そう思わん?」

 自殺は、終焉よりも救済を求めて実行されることがほとんど。
 つい、ウラスケにこぼしてしまった『助けてほしい』という悲鳴がその証拠。

 もちろん、世の中には、意味もなく『死にたいだけ』の者もいるだろうが、少なくとも、アスカはそうじゃない。

「ネオバグの脅威はまだまだ未知数。今のそいつは、まだ蕾だから、俺達でも狩れるが、成長するとどうなるか分からない」

「そして、ネオバグが、何をもって成長するか、我々はまだ把握しきれていない」

「というわけで、現状の俺らでは、発見しだい即時排除――という手段しか有していない」

「正直に言うと、そこの彼女が、ネオバグに乗っ取られているだけの人間なのか、それともネオバグそのものなのか、それすら、イマイチ分かっていないのが現状だ」

 つらつらと並べられた情報を、
 ウラスケは、高速で処理し、


「……ようするに、何も分かってないから、とりあえず殺すってことか」


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