『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

138話 だが、俺の方が上だ。


 138話 だが、俺の方が上だ。

「ああ、すげぇなぁ……ほんとうに、すげぇよ、トウシ……今までの永い神生の中で、さんざんっぱら、多種多様な無数の天才を見てきたが……間違いなく、お前がナンバーワンだ」

 センエースは、タナカトウシに対して、心の底から敬意を表する。
 嘘偽りはいっさいない。
 真正面からの本音。
 それは事実。

 ――しかし、

(だが、俺の方が上だ)

 同時に想う。


「トウシ……お前は、無数の地獄を前にして、最後まで勇気を叫び続けることができるか! 200億年、ただ武と向き合うだけの空虚な時間に、お前は耐えられるか!」

 これまでに積み重ねてきた『すべて』が、センエースの中で渦巻く。

「無理だろ! 俺にしか出来ないこと! 俺の器は! お前の才能を超えている! お前はナンバーワンの超天才だが、俺は、そんなお前をも超えた究極最強の男! それを証明する!」

 むき出しになって、

(あの日、俺はお前に負けて心を折られた。英語のテストの点数で負けて不貞腐れるという、クッソしょうもない挫折。だが、おかげで俺は……ここまで辿り着く事ができた!)

 歪な感謝を心に秘めて、

「トウシ、お前は間違いなく、文句なしで比類なき、究極ナンバーワンの天才! もし、お前が、俺と『同じ道』を歩めば、お前は俺の『遥か果て』をいくだろう!」

 嫉妬と僻(ひが)みを同時に抱きながら、

「だが! 断言する! この世に、俺と『同じ道』を歩める者はいない! 俺はお前ほど天才じゃないが! お前は、俺ほどの奇行種じゃねぇえ! イカれ方も、狂い方も、まるで足りてねぇ! 絶対の自信をもって言い切ってやる! ――ぶっ壊れ方なら! ゆがみ方なら! 腐り方なら! この俺がナンバーワンだ!!」

 叫んだのは、本音の奥にある悲鳴。

「地獄の釜の底で、何度となく絶望と踊ってきた! ともすれば押しつぶされてしまいそうなほどの『莫大な数の命』を背負って、凶悪な絶望を殺し続けてきた! そんな俺の! 全部を!! お前に叩きこむ!!!」

 全身が沸騰。
 センエースは叫ぶ!



「真・究極超神化6!!」



 『限界』を超えた先にある『力』を魅せつける。

 歯止めを失って、暴走する神気の嵐。
 神々の乱舞。
 ジオメトリが八方に飛び散って、
 光が拡散して、

(ま……まだ、『上』があったんか……信じられへん……ほんま、とんでもない神様やな……)

 ふいに、ソンキーの中で、トウシがボソっとそう言った。

 センエースの耳には届かない、ソンキーの中だけで響く声。

(アホほど積み重ねてきたんが伝わってくる……イヤやけど、虫唾が走るけど……でも、どうしても、心底から尊敬したくなるほどの、圧倒的で絶対的で決定的な、鍛錬の結晶)

(それがあいつだ。ありとあらゆる全ての頂点。この上なく尊き命の王。まぎれもなく、究極ナンバーワンの神。舞い散る閃光センエース)

(あれに勝つには、あんたの全部がいる)

(そうだ。やつに勝つには、俺とお前の全部がいる)

 そこで、ソンキーは、停止して、
 自分の中へと没頭する。

 その様子を、センエースは黙って見ていた。
 咲こうとしているライバルを邪魔するほど無粋ではない。

 センエースの視界の先で、
 ソンキーは思う。

(タナカトウシ……お前の『全部』を引き出す。わずかな余白もなく、目一杯、限界の限界まで)
(ソンキー、あんたの『全部』はもっと大きい。あんたが積み重ねてきた全てを、ワシの超知性で、開花させてやる)

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