『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……
130話 そして、みんな死んだ。
130話 そして、みんな死んだ。
「ここまで、すべてのイベントで、散々、調子に乗ってくれたが、まあ、結局、終わってみれば、こんなもんよ。お前は間違いなく天才だが、しかし、所詮はそんだけのガキ。本物の強さの前では、こうして血を吐くことしかできない。それがよくわかっただろ」
「……うぅ……うぐっ……」
「さぁて、俺たちが遊んでいる間に、お前のチームメンバーは、ついに、残り二人になっちまったなぁ。蜜波ナツミと、暁ジュリア。まずは……ナツミの方から殺すか。――椿、いいぞ、やれ」
命令を受けると、椿は、恭しく頷いてから、
グイっと、荒く強めに、ナツミの首を掴む。
「ぁ……が……」
明確な死を前にして、ナツミの頭に母親との思い出が廻った。
――良い事なんて、ほとんどなかった。
最初から最後まで辛いことだらけの思い出。
寝たきりで、やつれていて、髪の毛も抜けて、
全身の痛みにもがいて苦しんでいる母親の姿が脳裏に浮かぶ。
『ごめんね、ナツミ……ちゃんと、ナツミのお母さん出来なくて……ごめんね』
「……ママ……」
『苦労をかけるだけで……あなたに、朝ごはんの一つも作ってあげられない……ダメなお母さんで……ごめんね……』
「……ママ……」
『授業参観も……卒業式も……なにも見てあげられない……こんなの、母親なんかじゃないね……』
「ママ……ごめなさい……助けて……あげられな――」
最後まで言葉を並べる事すら許されず、
ナツミは、あっさりと椿に殺された。
あっけない最後だった。
そのあっけない最後を見届けたモンジンは、トウシに対し、
「さあ、ようや本命だ。お前が必死になって守ろうとしたものを、今から、お前の目の前で景気よくぶっ壊させてもらう。救いはない。さあ、己の無力をかみしめろ」
「やめ……やめて……ジュリアだけは……おねがいだから……神様……」
「椿、やれ」
「やめ――」
「がはっ――」
椿は、容赦なく、ジュリアの腹部に腕を突っ込んだ。
鮮血が弾ける。
綺麗な赤を噴き出すジュリア。
こんな時でも、彼女の視界には、
いつも通り、
「……トウシ……」
トウシしかいない。
けれど、もう、何も届かない。
救いなく、
ただ、命を散らす。
「ウチのアダムがやられたのと同じ方法で殺すように指示を出しておいた。どうだ? 大事な女の腹部を貫かれる気持ちは。ウザイだろ?」
即死だった。
無慈悲な惨殺。
迷いなく、ジュリアの体は、光の粒になって消えた。
彼女の死に触れたトウシは、
「……ぁ……」
小さな声を漏らしてから、
ガクっと、うなだれて、
気機なき『たんぱく質のカタマリ』に成り下がった。
ジュリアを失ったことで、トウシも、己の命を見失った。
うつろな目になって、精気を感じさせない、ただの人形になったトウシ。
そんな彼の、心折れた姿を受けて、
モンジンは、眉間にしわをよせ、
「……ん? げっ……ぉ、おいおい、ちょっと待てよ……しっかりしろ。おいおいおいおい、マジかよ。なに、呆けてんだ。違う、違う。そうじゃねぇ。――ここ! ここだろ?! ここが、最大の覚醒ポイントだろ。『おのれぇえええ!! よくも、ジュリアを! 絶対にゆるさねぇええ! 輝け、ワシのコスモ! 究極超神化10!!』みたいになるところだろ?」
「……」
モンジンの言葉に、トウシは何も返さない。
うつろな目で、虚空を眺めているだけ。
焦点があっていない。
「うーわ、しょうもな……まさか、普通に壊れたのか? うそだろ、まいったな……うーん……この展開は予想外だな」
今のトウシは、本当に、ただの人形みたい。
いや、ただの人形ではない。
誰からも愛されない、気味が悪くて、出来が悪い、最悪の粗悪品。
――トウシは、完全に壊れた。
「ここまで、すべてのイベントで、散々、調子に乗ってくれたが、まあ、結局、終わってみれば、こんなもんよ。お前は間違いなく天才だが、しかし、所詮はそんだけのガキ。本物の強さの前では、こうして血を吐くことしかできない。それがよくわかっただろ」
「……うぅ……うぐっ……」
「さぁて、俺たちが遊んでいる間に、お前のチームメンバーは、ついに、残り二人になっちまったなぁ。蜜波ナツミと、暁ジュリア。まずは……ナツミの方から殺すか。――椿、いいぞ、やれ」
命令を受けると、椿は、恭しく頷いてから、
グイっと、荒く強めに、ナツミの首を掴む。
「ぁ……が……」
明確な死を前にして、ナツミの頭に母親との思い出が廻った。
――良い事なんて、ほとんどなかった。
最初から最後まで辛いことだらけの思い出。
寝たきりで、やつれていて、髪の毛も抜けて、
全身の痛みにもがいて苦しんでいる母親の姿が脳裏に浮かぶ。
『ごめんね、ナツミ……ちゃんと、ナツミのお母さん出来なくて……ごめんね』
「……ママ……」
『苦労をかけるだけで……あなたに、朝ごはんの一つも作ってあげられない……ダメなお母さんで……ごめんね……』
「……ママ……」
『授業参観も……卒業式も……なにも見てあげられない……こんなの、母親なんかじゃないね……』
「ママ……ごめなさい……助けて……あげられな――」
最後まで言葉を並べる事すら許されず、
ナツミは、あっさりと椿に殺された。
あっけない最後だった。
そのあっけない最後を見届けたモンジンは、トウシに対し、
「さあ、ようや本命だ。お前が必死になって守ろうとしたものを、今から、お前の目の前で景気よくぶっ壊させてもらう。救いはない。さあ、己の無力をかみしめろ」
「やめ……やめて……ジュリアだけは……おねがいだから……神様……」
「椿、やれ」
「やめ――」
「がはっ――」
椿は、容赦なく、ジュリアの腹部に腕を突っ込んだ。
鮮血が弾ける。
綺麗な赤を噴き出すジュリア。
こんな時でも、彼女の視界には、
いつも通り、
「……トウシ……」
トウシしかいない。
けれど、もう、何も届かない。
救いなく、
ただ、命を散らす。
「ウチのアダムがやられたのと同じ方法で殺すように指示を出しておいた。どうだ? 大事な女の腹部を貫かれる気持ちは。ウザイだろ?」
即死だった。
無慈悲な惨殺。
迷いなく、ジュリアの体は、光の粒になって消えた。
彼女の死に触れたトウシは、
「……ぁ……」
小さな声を漏らしてから、
ガクっと、うなだれて、
気機なき『たんぱく質のカタマリ』に成り下がった。
ジュリアを失ったことで、トウシも、己の命を見失った。
うつろな目になって、精気を感じさせない、ただの人形になったトウシ。
そんな彼の、心折れた姿を受けて、
モンジンは、眉間にしわをよせ、
「……ん? げっ……ぉ、おいおい、ちょっと待てよ……しっかりしろ。おいおいおいおい、マジかよ。なに、呆けてんだ。違う、違う。そうじゃねぇ。――ここ! ここだろ?! ここが、最大の覚醒ポイントだろ。『おのれぇえええ!! よくも、ジュリアを! 絶対にゆるさねぇええ! 輝け、ワシのコスモ! 究極超神化10!!』みたいになるところだろ?」
「……」
モンジンの言葉に、トウシは何も返さない。
うつろな目で、虚空を眺めているだけ。
焦点があっていない。
「うーわ、しょうもな……まさか、普通に壊れたのか? うそだろ、まいったな……うーん……この展開は予想外だな」
今のトウシは、本当に、ただの人形みたい。
いや、ただの人形ではない。
誰からも愛されない、気味が悪くて、出来が悪い、最悪の粗悪品。
――トウシは、完全に壊れた。
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