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103話 作戦会議。


 103話 作戦会議。

「戦争が……はじまるんだな」
「そうですよ。これから、あそこにいる三万の亡霊たちと、ガチガチのガチで殺し合います。冗談でも、例えでも、言葉の綾でも、脅しの文句でもない……まっすぐな文字通り、本当の本当の本当の意味での……戦争」

「あの三万を殺しつくせても、ミシャンド/ラを殺せなければ終わりだ。つまり、トウシくんがいないなら終わり」
「トウシくんは、マジでこないのか? トウシくんがいないと、ガチで最初から終わっているんだが」

「まだ、何も終わっていない。戦いはこれから始まるんだ。どっちみち、3万は俺らが相手にしないといけない」
「そのあとは? もし、どうにか、3万を突破しても、わたしたちじゃ、ミシャンド/ラには敵わない!」
「大将が不在ってつらいね……せめて、後ろで指揮をしてくれれば、こっちの士気も上がるのに……」


 そこで、岡葉が、アダムに視線を向けて、

「恐縮ですが、トウシくんを探して連れてきてもらえませんでしょうか。己の無様を晒すようで情けないのですが、我々だけでは、このイベントをクリアする事は不可能です。どうか、トウシくんを――」

「……貴様、『この上なく偉大な神のそば仕えであるこの私』に、ガキの捜索を命じるつもりか? ありえない。みのほどをわきまえよ」

「っ……め、命じるわけではなく、『どうか御慈悲を』と『お願い』をして――」

「なんであれ、ありえない。貴様らごときに慈悲を示すほど、私は安くない」

 と、ハッキリ言いきってから、
 しかし、アダムは、

「ただ、貴様らだけでは、クソつまらないイベントになるというのも事実。よって、最低限の配慮はしてやる。もし、タナカトウシが、さっきの教室に戻ってきたら、その瞬間に、オートで、ここまで転移するように設定しておいてやる」
 
 アダムのキッパリとした発言を受けて、
 もう、それ以上は望めないと理解した岡葉は、あきらめ顔で、

「そ、それはどうも……感謝します」

 そう言って、味崎たちの方に視線を向けて、

「仕方ない。ここは、戻ってきてくれることを信じて、時間を稼ぐしかない」
「時間を稼ぐって、変身した殺意MAXの三万人を相手にか? 冗談にもならない」
「誰も、三万を相手ににらみ合いをしようなんて言っていない。最短最善で殲滅していき、相手の数がほどよく減ってきたタイミングで、誰か一人を拘束し隔離する」
「なるほど。ミシャンド/ラが出てくるのは、3万が全滅した後。なら、全滅させなければいいわけだ」
「……そんなパワープレイ、許容してくれんのかね……」
「最終的には、敵の一人を拘束した状態で、ただただ時間が過ぎるのを待つわけだよな……黙って待ってくれるかな……」
「アッサリと、途中でルールを変更してくる可能性が高そう」
「……『ミシャンド/ラが出てくるのは、3万を皆殺しにしてからだといったな、アレはウソだ』……みたいな?」

 皆の不安があふれてこぼれる。
 ――と、そこで、虹宮が、

「その時は、おれがミシャンド/ラの相手をする。サポートはまかせた」

 その発言を受けて、岡葉が言う。

「虹宮……君は、確かに、ネオバグとの戦いで、驚くほど強くなったけれど、ミシャンド/ラに勝てるとは思えない」
「おれも勝てるとは思っていない。けど、『その時』がきたら、誰かがやらないといけない。なら、おれがやる。それが、トウシくんのバディの務めだ」

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