センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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94話 『☆XX』。


 94話 『☆XX』。

「――タナカトウシは、信じられない奇跡でもって、大いなる試練を乗り越えた。その『ほんの少しだけとはいえ、主上様をてこずらした』という、『人類という種における唯一にして最大の功績』を褒め称え、その偉業に相応しい対価が支払われることと相成った。――ん、ちょうど今、振り込み終わったようだ。貴様らには不相応な大金だが、まあ、好きに使うといい。以上だ」

 そこで、アダムとの通信は切れた。
 頭の中が静かになったところで、
 神話狩りの面々は



「「「「「「「「「ヒーロー見参!!」」」」」」」」



 トウシから教わった裏技を実行しながらガチャを引いた。
 トウシ以外に効果がない事は知っている。
 だから、これは、ただの願掛け。

 『ちょっとした祈り』でしかなかった。
 ――が、

「うぉおおおお!? マジかよ! 『☆XX』だぁあ!!」
「ボクもです!!」
「私も!」
「俺もだぁあああ!」
「究極あたりって、☆X以上ってことだったのかよ! ヤベェな、おい!!」


 驚くべきことに、全員が☆X以上の大当たり、
 ――『☆XX』という究極当たりを引いていった。

 ※ 虹宮も、闘いの途中で、スキを見て、ガチャを引いた。
   スキを見てというか、ドラゴンスーツに命じて引かせただけ。


 ――神話狩りの面々があてた『☆XX』は、
 『アルテマ・トランスフォーム』という、
 ぶっちぎって飛びっきりの強化アイテム。



 圧倒的な性能を持つ『アルテマ・トランスフォーム』を引いた神話狩りの面々は、
 即座に自身の携帯ドラゴンへと搭載して、


「「「「「「「「アルテマ・トランスフォーム!!」」」」」」」」


 叫ぶと、全員の体が、超絶的なオーラを放っているドラゴンスーツに包み込まれた。
 アルテマ・トランスフォームの特徴は具体的にいうと、大きく分けて3つ。
 ・強化値が一時的に大幅アップ(通常のトランスフォームでも、ステータスが飛躍的に上昇するが、アルテマ・トランスフォームの場合は、上昇率がケタ違い!)。
 ・破格の固有スキル追加。
 そして、

 ・爆発的に上昇する、携帯ドラゴンとのシンクロ率!!



 ――虹宮がボソっと、


「伝わってくる……セブンスの鼓動・想い・揺らぎ……」


 自分の中で一つになっていく『高まり』に身を任せ、

「……開け。モード・アルクス」

 自分を解放させる。
 宣言によって変形していくドラゴンスーツ。
 よりシャープでエッジのきいたフォルムとなり、
 極彩色に発光している後輪を背負う。

 その姿を見たネオバグは、

「なっ……」

 絶句して、

「ふ、ふざけるな……なんだ、その力……」

 ワナワナと震えているネオバグに、
 虹宮は、鋭い視線を送りながら言う。

「教えてあげるよ。おれたちを導く偉大なリーダーが神様に勝ったって証だ」

 そこで、虹宮は、グっと拳をにぎりしめ、

「あのとんでもない神様に勝った英雄を頂点にする組織。それが、おれたち神話狩り。100%本気で神殺しを目論む稀代の狂客」

 言葉を並べ終わると、虹宮は踏み込んだ。
 拳が加速する。

「ぐげぁあっ――」

 メキメキっと、ネオバグの腹部に、虹宮の拳がつきささる。
 先ほどまでは石を殴っているかのような感覚だったが、
 今では、

「すごいな、このアルテマ・トランスフォームって……これなら、いける……」


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