『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

92話 主人公補正値を競い合う戦い。


 92話 主人公補正値を競い合う戦い。

 虹宮は闘った。
 膨れ上がるオーラに振り回されながら、
 自分の中で異様なほど燃え盛っている過剰な勇気と共に、

 闘って、闘って、しかし、



「ぐふっ!!」



 重たい一撃を入れられて、体がくの字に曲がる。
 10体のネオバグを一人で相手取るのは、やはり無理があった。

 虹宮は、『今の自分に出来る全て』を賭して抗ったが、
 やはり、10対1という数的不利はどうしようもなかった。
 多少の抵抗ができただけでも奇跡と呼べるレベルだった。

「まだだ……おれは……まだ――」

 ボコボコにされて、
 しかし、それでも立ち上がる虹宮を見て、
 ネオバグは、あらためて驚異を感じながらも、
 だからこそ、けっして油断せずに、ギラリとした視線を向けて、

「ああ! まだ闘えるだろう! ソコを疑ってなどいない!」

 全身を包み込む魔力とオーラをヒリつかせたまま、
 微塵の慢心もなく、
 強く澄んだ目で虹宮をにらみつけ、

「貴様は最後まで抗い続けるだろう! その『ラリったような勇気』という牙を、最後の最後まで剥き続けるだろう! ――そして、死ぬ! 闘い続け、まだ強くなり続け、最後の最後まで抗い、そして死ぬ! それで終わりだ!」

「終わらねぇええ! おれは! おれはぁああああ!!」

 ネオバグの計算通りに激化していく闘い。
 適切に削られていく虹宮。
 ネオバグは、まだまだ余裕をもって、虹宮に削りを入れていく。

 特殊モードを展開しているネオバグの脅威は、
 『出力が高い』という点だけではなかった。

 勝利をたぐりよせる強さ。
 あるいは、主人公補正と呼ばれるチート。
 そのパーセンテージが、より高いほうが勝つ――そんな、奇妙な戦い。

 その戦いを、ネオバグは完全に支配していた。
 虹宮のチート(史上最高の弟子ケンジ)はすさまじいが、
 ネオバグのチート(モード死夜の勇者)もハンパじゃない。


「ぐふっ……ぉえ……くっ……」


 ――次第に終わりが見えてきた。
 虹宮が圧殺されるのが、間違いなく時間の問題になった。

 そんな虹宮とネオバグの戦いを、遠くで眺めている神話狩りのメンバー。
 今の彼・彼女たちでは、実力が足りなさ過ぎて、虹宮の勝利を祈る事しかできない。
 加勢する事はもちろん、サポートすることすらできない明確な差。

「くそ……ボクは、自分の弱さが憎い! いつまでたっても、誰かの背中に隠れている事しかできない自分が許せない!!」

 岡葉が叫ぶ。
 『その声』に『感情』を重ねた者は多かった。
 多いというより、ここにいる全員。
 誰もが思う。
 いつまで、自分たちは、蚊帳の外にい続けるのか――

「ボクは! いつまで足手まといを続けるんだ! いつまで『戦力外A』で在り続ける! ああ、なさけないぃいいいいい!」

 岡葉の叫びに対し、味崎が、

「まだ『A』なだけマシだろ。俺なんか、『戦力外G』くらいだぞ」

 自虐を口にする。
 無意味な時間。
 『自分を傷つける事でしか、自分を慰められない』という、
 そんな非生産的すぎる命の浪費。

 味崎の無意味な自虐はシカトして、
 岡葉は頭をかきむしり、

「……くそ、くそ、くそぉお! このデスゲームに参加してからというもの、『こんな屈辱は産まれて初めてだ』ってレベルの辛酸ばかりをナメ続けている! もうイヤだ! こんなのはボクじゃない!」


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