『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

90話 虹宮は、


 90話 虹宮は、

「終焉はここからだ。数えろよ、絶望……深く堕ちていけ……それだけが俺の渇望……俺を満たす陰(かげ)」



 爆発的に存在値を上げたネオバグは、

「さあ、貴様らの『絶望』は何色だ」


 空間を駆けぬけていく。
 黒く光ったかと思った――その直後には、重たい塊となって、

「がっはあああああ!!」

 虹宮の脊椎に重度の圧力をかけていた。
 メキメキと軋む。
 全身を貫く激痛に包まれて、虹宮の意識が飛びそうになる。

 気絶しそうになったが、ギリギリのところで耐えた。
 耐えられた理由は一つ、

「ぐぬぅうう! こんなもの――神様の圧力に比べればぁあああ!」

 もっと『上』を知っていたから。
 とてつもなく深い、狂気的な輝きの結晶。
 『比類なき最果て』を、虹宮は知っている。
 だから、折れずにいられた。

「どうしたぁあ! 来いよぉおお! おれはまだ! 終わっていないぞ!!」

 神の傀儡(くぐつ)となった過去が、虹宮の今を支えている。
 『神に抗った』という事実が、虹宮の魂を支えている。

 これは、ある種の信仰。
 『神に逆らえた自分』という超自己肯定的な『神』が、虹宮の信仰対象。
 芽生えた自覚が、虹宮の魂魄に意識の革命を起こした。

『あれほどの神様に抗う事ができた自分に、出来ない事などあるがずがない』というヒリつくような自信。
 高位の自信は本物のプライドとなって、虹宮の魂を縛り付ける。

 これは呪い。
 『諦め方を忘れる』という、高次の呪縛。

 ――折れることなく抗い続けてくる虹宮に、
 ネオバグは、不愉快そうな顔を向けて言う。

「その不快な瞳……俺に『誰か』を思い出させる……俺の魂魄に刻み込まれている誰かを――遠い、遠い、かつて……俺を砕いた何か……」

 ネオバグの感情が、グツグツと燃え上がる。

「思い出せない……が……しかし、どうやら、俺は知っているようだ……貴様を支えている何か……その鬱陶しい誰かを……ぁあ……不快だ……たまらなく不快だ……」

 ネオバグは、虹宮を睨みつけ、


「俺の全てが喚(わめ)いている。貴様を……貴様らを絶対に終わらせろと」


 オーラが充満していく。
 ネオバグの『巨大なだけでカラッポの器』に、少しだけ熱が注がれる。

「これは、心を摘む闘い……俺は、ためされている。貴様らの心を殺せるか否か……貴様らの心を殺した先に、俺の道が待っている」

「さっきから――っつぅか、最初からずっと、わけの分からない事をほざきやがって! くるなら、こいよ! おれはまだまだいけるぞ! 神様を知っている俺は、お前ごときに折れたりはしない! あの『果てしなさ』は、お前ごときの比じゃなかった! お前なんか、足下にも及んでいない! だから、つまり、これは、お前が死ぬまで終わらない闘い! さあ、身を投じる覚悟はできたか?! おれはできてる!!」

 虹宮の拳が加速する。
 虹宮の存在感が、どんどん増していく。

 そんな虹宮を見て、

「影が濃くなっていく……貴様は危険だ。ここで殺しておく必要がある」

「やってみろ! 神様を知るおれは! そう簡単に折れはしない!」

 虹宮はまだまだ膨れ上がっていく。
 虹宮は止まらない。



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