『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

67話 本当の勝負。


 67話 本当の勝負。

 言いながら、虹宮はバットを持って打席にたつ。
 そんな虹宮に、トウシは重ねて言う。

「もう一度、ちゃんと言っておく。これは、勝ちと負けがハッキリと決まる、一打席勝負や」

「はいはい、わかったよ。そんな、何度も言わなくていい」

 言いながら、バットを構える虹宮。

 トウシは、

「一球目」

 そうつぶやいて、大きく振りかぶった。

 グンと足をあげて、ダンと踏み込む。

 放たれたボールは、白い線となって、虹宮の目の前を横切っていった。

「ははは。綺麗なストレートだね、トウシくん。これは、ちょっと打てそうにないや」

「二球目」

 言いながら、トウシは、ふりかぶる。
 二球目もストレート。
 虹宮の前をアッサリと通過する。

「これで、ツーストライクだね。さあ、はやく三球目を投げて終わらせてよ」

「最後にもう一度言う。これは真剣勝負――」

「もういいって、流石にくどい」

「ワシとあんたの間で、正式に、『勝ち』と『負け』が決まる勝負」

「わかったって、しつこいなぁ」

「これから、あんたは、ワシに負ける」



「……」



 トウシは、もう言葉は使わなかった。

 これまでの『どの投球時』よりも、トウシは大きく振りかぶる。
 そして、躍動する。

 インハイに向かって投げ込まれたライズボール。
 仕留めにかかった一球。

 それを――





 キィィィィイイイン!!





 と、華麗にはじき返した虹宮。

 打球は、大きく放物線を描く。
 が、位置的には、ポールの向こう側。
 特大のファール。

 それを受けて、
 トウシは、
 冷たい汗を隠しながら、

「けた違いに鋭いスイング。さすがやな、神様」

 そこで、虹宮は、パチンと指をならした。
 すると、通夜のように静まり返っていた『三万の観客』と『相手ベンチの選手』がスゥっと、その場から姿を消した。
 よく見ると、一人だけ残っていて、それは、相手チームの捕手だった。

 虹宮は、その相手チームの捕手に、

「この勝負中、トウシの球を受けろ。そうすれば、解放してやる」

「え、ほ、ほんとに?!」

 パァっと目を輝かせてから、少しだけ穿った目をして、

「ぅ、うそじゃないだろうな!」

「次、余計な質問をしたら、他のやつに権利をまわす」

「っ……は、はい、すいません、もう何も言いません!」

 その捕手は慌てて、ポジションについてミットを構えた。
 続けて、虹宮は、

「……アダム、審判をしろ。贔屓は絶対にするな。これは正式な命令だ」

 そう宣言すると、
 虹宮のすぐ隣に『片膝をついているアダム』が出現し、

「おおせのままに」

 恭しく返事をしてから、優雅に立ちあがり、
 捕手の後ろにまわって、主審の位置についた。


 準備が整うと、虹宮は、ゆっくりと首をまわして、

「さて……中断して悪かったな。それじゃあ、『勝負』の続きを始めようか。お前と俺の間に勝ちと負けがハッキリとつく……そういう『真剣勝負』を」

 ゆったりと体を動かしながら、

「もし、俺に勝てたら、課題はオールクリアって事にしてやるよ。ただし、お前が負けたら、神話狩りのメンバーを50人ほど殺す」

「……」

「パワープレイの神狼吊りがノーリスクで決まると思ったか? ありえない。俺のゲームは甘くない。それに、これは、お前からはじめた勝負。まさか、文句は言わないよな?」

「なんで50人……全滅やない理由は?」


「お前じゃ、俺には絶対に勝てないから」



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