『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……
4話 100人の中学生。
4話 100人の中学生。
ガチャで究極当たりを引いたことで、なんとか生き残ったトウシ。
直近の危機はどうにか脱したが、
「で、ここ、どこやねん……」
「あたしが知るわけないだろ」
「べつに、お前に聞いてへん」
ビルから出て、周囲を探索していたトウシとジュリアの二人。
そんな二人の視線の先に、
「ん? なんか、あそこ光っとるな」
光を放っている通路が見えた。
二人は、少しだけ逡巡したが、
「まあ、こいつおるし……大丈夫やろ。頼むで、エルメス」
と言いながら、トウシは、頭上で、ネコのように丸くなって寝ている携帯ドラゴンの背中を撫でた。
トウシが、自身の携帯ドラゴンにつけた名前はエルメス。
特に理由はなかった。
なんとなく思いついた名前。
ちなみに、ジュリアが自分の携帯ドラゴンにつけた名前は、自身の名前を取ったリア。
こちらも、意味がないと言えば意味はない。
「さて……ほな、いこか」
そう呟いて、光を放っている通路の中を進んでいく。
100メートルほど進んだところで、
「……おっとぉ」
広いフロアに出た。
体育館くらいの広さで、そこには、
(100人くらい……か)
同年代と思しき、制服を着た少年・少女が、たくさんいた。
全員が、携帯ドラゴンを所有している。
トウシとジュリアの登場を受けて、
その100人の中の一人、オカッパ頭の男子中学生が、
「また増えた……」
ボソっとそう呟いた。
そのオカッパ頭は、ゆっくりと、トウシたちのもとまで近づいてきて、
「こんにちは。ボクは、岡葉(おかは)。学年は中3。たぶん、君もそうじゃない? 今のところ、ここにいるのは、全員そうだから」
そう声をかけてきた。
その男は、おしゃれオカッパ(モサっとした感じではなく、ヒカ碁のアキラ的な)で、全体的にアカぬけている。
かなりスラっとした体形で、服装も、小粋に崩している。
クラス内では確実に中心にいるであろう、一軍オーラをかもしだしている。
そのオカッパ――岡葉に、トウシは、
「ああ、ワシも中3。名前は田中。よろしくどうぞ……で、これ、なんや?」
と聞くと、
「ボクも知らない。気付いたらここにいた」
「……ここに? 最初から?」
「いや、最初は巨大な洞窟に飛ばされて、そこで妙なゴーレムに襲われたよ……けど、色々あって、この携帯ドラゴンの卵を見つけて……それで、初ログボのガチャ券でガチャをひいて、その強化パーツを使ってゴーレムを倒したら、光の道が出てきて……」
「なるほど。ワシらと、だいたい同じか。若干、チュートリアルステージが違うみたいやけど。……ワシらは洞窟やなくてコンクリートジャングルやった」
「話を聞いてみた感じ、ここにいるのは、みんなそう。ステージはバラバラだけど、流れはだいたい同じ」
「ふむふむ……で、ここにきてから、なんか変化は?」
「なにも。ボクがココに辿り着いたのは、けっこう最初の方なんだけど……もう1時間前くらいかな……で、その間ずっと、何が起こるのかと不安を抱きながら、とりあえず、次の展開を待っているんだけど……どんどん人が増えていくばかりで、他は何も起こらなくて……」
「なるほど、了解。助かった、情報提供、感謝する」
「言葉だけの御礼はいらない。この先、何か協力しなきゃいけない事があったら、力を貸してほしい」
「……そのセリフ、もしかして、全員に言っとんのか?」
「うん。生き残るための可能性は少しでもあげておく。ボクは死にたくない」
「……中学生とは思えんほど肝がすわっとるな」
「君もそうじゃない? 全然あわててない。どっしりと、状況を見据えている」
「……」
「まあ、ここにいるのは、たぶん、みんなそうだと思うけど。全員、あの厄介なチュートリアルを乗り越えた人ばかりだからね。根性も頭も優れた人間ばかり。おそらく、優秀な人間が集められているんだろうね。……もしくは、『チュートリアルに挑戦した人』は一杯いて、優秀な人だけがここまで辿り着いたってパターンか……」
「……ふむ、まあ、どっちかやろうな」
そこで、オカッパは、自身のMDデバイスをいじりながら、
「おっと……どうやら、君、あまりガチャでいいのを引けなかったみたいだね……そっちの彼女は、そこそこだけど、君の携帯ドラゴンは酷い。ほぼほぼ初期状態じゃないか。チュートリアルは、彼女のおかげでクリアできたって感じかな?」
そうつぶやいた。
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