『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

15話 テプ禁止。


 15話 テプ禁止。


 ――勝てないと理解したゴートは、



「でろ! 出てくれ、テプ! 何かくれ! 今の俺じゃ、こいつには勝てない! 頼む、出てきてくれ! ガチャをまわさせてくれ! 起死回生のチートをくれぇ!」



 そう叫ぶゴートに、蝉原は言う。

「ガチャルトホテプなら、扉の外に隔離してあるから、この場では絶対に使えない」

「……っ!?」

「意味は分からないけど、俺の中に、『そういう情報』がある。今、ここで伝えるべきだと思った俺の判断は、どうやら間違っていなかったようだね。ずいぶんと、いい顔をしてくれる。そそるよ」

「……っ……ぁ……そ、そんな……」

 どこかで在(あ)った。
 『テプがいれば、どうにかなるんじゃないか』という甘え。
 最終的には、テプが、『この状況をどうにかできる強烈な何か』をくれるんじゃないかと、どこかで期待していた――

 ――だが、テプはここにはいない。
 どれだけ願っても、ここでは、ガチャをまわす事はできない。


「うぁああ、ああああああああ!」


 ゴートは、ガムシャラに、せまりくる恐怖と闘いながら、蝉原と対峙した。

「くそ! くそぉお! くそぉおおお!」

 だが、届かない。
 蝉原の『数値』の前では、ゴートは無力だった。

 そして、

「……五分経過」

 無慈悲に、蝉原はそう呟くと、

「食べていいぞ」

 そう命令された、一匹のGバグが、

「――やめっ――」

 必死に止めようとするゴートを無視して、リーンをバグッっと食べてしまった。
 グッチャグッチャと咀嚼して、テキトーなところで、ゴクンと飲み込んだ。

「ぁ……」

 精神が壊れて、真っ白になるゴートの視界。
 そんなゴートに、

「君が惚れた女の子、死んじゃったね……まあ、でも、仕方ないね。そういうもんだよ、この世界っていうのは。偉そうに言えるほど、世界について詳しくなんてないけどね」

「……」

「さあ、続きといこう。これで、君にとっての俺は、『故郷を滅ぼした宿敵』というだけではなく、『惚れた女の仇』にもなったわけだ。いっそう燃えるだろう?」

「……」

「時間制限はなくなった、とはいえ、ダラダラされるのはイヤだねぇ。しょうがないなぁ。じゃあ、もう一個、何かタイムリミットつきの『闘う動機』をあげようか? 何にしようかなぁ……」


 蝉原の言葉など、今のゴートの耳には入っておらず、

「ぁッ――」

 だから、話を最後まで聞くことなどなく、

「ああああああああああッッ!」

 ブチ切れたゴートは、オーラを限界まで引き上げ、



「異次元砲ぉおおおおおおお!!」



 全てを注ぎ込む覚悟の異次元砲を放った。
 狂気的な一撃。
 この世の全てを跡形もなく消し飛ばす事だって可能な火力。

 それを、

「いいよ、センくん! なかなかの照射だ! コクがある!」

 蝉原は、笑って受け止める。

 ゴートは、どうにか、蝉原を消し飛ばそうと、さらにオーラを込めるが、
 しかし、
 それにも、

「く……ぅっ……っ!!」

 すぐに限界が来て、結局、

「はぁ……はぁ……はぁ……くっ……っ!!」


「ん? あれ? 終わり? ここからじゃないの?」


 存在を消し飛ばすどころか、キズ一つつける事ができず、
 ゴートの気力は、あっさりと尽きてしまった。


「……ぅ……」

 ガクっと、ゴートは膝をついて、

「く……そ……リーン……」

 ボロボロと涙を流してうずくまる。

 そんなゴートに蝉原は言う。

「もしかして、また諦めちゃった?」

「……」

「はぁ……君は、どうして、すぐに、そう諦めちゃうかなぁ。もっとファイトとガッツをみせないと。諦めたら、そこで試合終了ですよ?」

「……」

「はは。なんてね。よくもまあ、これだけ差がある状態で、全力の異次元砲を撃つことができたと褒めてあげるよ。やっぱり君はいい。すごい男だ。まあ、そんな凄い男よりもっと凄い男なのが俺っていう、ただの自慢なんだけどね」

「……」

「本当に諦めちゃったみたいだし、もう闘えないみたいだし……うん、君はもういいや。おい、喰っちゃっていいぞ」

 蝉原の命令をうけたGバグは、即座に、バグっと、ゴートを捕食した。
 グッチャグッチャと咀嚼して、ゴクンと飲み込む。

 どこまでも、あっけない最後だった。





 ――これにて、ゴート編、完ッッ!!


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コメント

  • キャベツ太郎

    まじかよww
    全く予想だにしていなかった結果すぎて好き。
    じゃあ、私の考察が焦点合わなくなってくるのは仕方がないので考え直しますww

    0
  • 博夜

    工エエェェ(´д`)ェェエエ工

    0
  • ノベルバユーザー177581

    うぇえええ!?

    1
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