『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

10話 初イベント!


 10話 初イベント!

「みんなで一つのことに向かって頑張っているなぁって感じられて、だから――」
「ああ、もういい。長い」

 面倒臭そうにセイラの言葉をぶったぎったハルス。

 セイラは、「むー」っと頬を膨らませるが、そこまで気分を悪くしているワケではなさそうだった。
 二人の関係性は、ある程度かたまってきていて、
 なんだか、熟年夫婦のようになっていた。

 この『クソしょうもない関係性』に対して、
 実はというと、ハルスは、そこまで不快感を覚えてはいなかった。
 ハルス視点で言うと、セイラというガキは、文句なしの全力で鬱陶しい。
 ただ、セイラという女は、空気が読める子なので、ハルスが本気で嫌がる事はしない。

 『最善のバランス』とは言えないが、二人の関係は、
 常に『決して悪いとはいえないバランス』を保っていた。


 ――そこで、MDデバイスがブルっと震えた。

 何事かと、中身をチェックしてみると、
 ハルスがボソっと、

「……どうやら、こいつには『イベントの情報』なんかも入ってくるみたいだな……便利なマジックアイテムだぜ」

 お知らせがきていた。
 1時間後に、『将棋大会』が開かれるという告知だった。

 それを見たゼンは、

「この感じでいくと、次はジャンケン大会かと思ったけど、将棋か……つぅか、携帯ドラゴンで将棋のイベントなんてなかったけどなぁ」

 すると、そこで、ハルスが、

「おい、ショーギってなんだ? お前、知っているのか?」

「……ああ、そっか。だよなぁ……んー、もしかして、これは、そっちの流れなのかな?」

「どういう意味だ?」

「ルールを知らないゲームで推理力・対応力・考察力をはかるパターン。……ある意味で、ニギリズシ系かな。となると、今の俺の立場はハンゾーか……」

「……スラングを多用するんじゃねぇ、うぜぇ。ちゃんと説明しろ」

「この世界の人間が全員ゼロスタートだとすると、俺が出た方がいいか……それとも、ハルスにルールを教えた方がいいか……まあ、両方でいいか。参加人数に制限はないらしいし」

 ゼンは、ボソっとそうつぶやいてから、

「とりあえず、将棋ってのは、こう……駒をだな……歩が――王が――」

 ゼン、説明中……

 二分ほど、将棋についてのルール解説を受けたハルスは、

「……なるほど。シンプルで浅そうに見えて実は底深いテーブルゲームか」

 脳を高速回転させながら、

「戦術にはどんなものがある?」

「棒銀とか、穴熊とか――」

 説明中……

 5分ほど、ザックリとした戦術解説を受けると、
 ハルスは深くうなずいて、


「……なるほど。だいたい理解した。このゲームには、敗因はありそうだが、勝因はなさそうだな。どこまでいっても、相手のミスを待つしかない。……そういう忍耐ゲーム。そうだろう?」



「ぇ……いや、しらんけど、俺、そんなに将棋は詳しくないから」

「このゲームで強くなるには、どうするのがベストか……効率のいい鍛練法とかあるか?」

「一番てっとりばやいのは、やっぱり、詰め将棋かなぁ……もちろん、それだけで強くなれるってワケじゃないけど、結局、相手の王を詰むか、自分の王が詰まされるかってゲームだから、そこの『出来』と『知識』は大事なような気が――」

 そこからも、ゼンは、ハルスに、将棋に関する情報を流した。

 すると、15分もしないうちに、

「完全に理解した。仮に、今回のイベント参加者の中にルールを知っているヤツが混ざっていたとしても楽勝だな」

 ニっと笑ってそう言った。



「『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

  • キャベツ太郎

    ハルスの万能感やべぇな

    0
コメントを書く