『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

9話 最効率の攻略法。


 9話 最効率の攻略法。


ゼン「……『効率』を求めるとなると、カジノかガチャの二択になってくるんだよなぁ……」
シグレ「そうやな。ただ、カジノするにもガチャするにも、課金ポイントがないと話にならへんで」

「ん? なんだ、お前ら……もしかして、この妙な試験について詳しかったりするのか?」

「詳しい……んーまあ、詳しいってほどでもないが」
「ホンマに詳しい人やと、知識やばいからなぁ」

 どの界隈でもそうだが、ガチ勢のディープさはエゲつない。
 『一日十数時間プレイを年単位で継続』とか『数千万や数億の課金は当たり前』とか。
 そんな連中と比べれば、ここにいる二人(ゼン&シグレ)など『ライト層の表面をただよっているボーフラ』でしかない。

「何か知っているなら、説明しろ」

「説明……どういえばいいか……」

「詳しい説明はいらん。フーマーには『妙なアイテム』や『風習』が山ほどあった。どうせ、これも、その中の一つってだけだろ? だから、概要はいい。とにかく、この試験の攻略法を、知っているだけ教えろ」

「……えっとな……じゃあ、まず――」

 そこで、ゼンは、ハルスに対し、自分が知っている『携帯ドラゴンの攻略法』を伝えた。
 『理解できないであろう範囲(スマホゲーに酷似しているという点)』はなるべく避けて、『携帯ドラゴンを高速で強くするための方法』だけを選別して伝えていく。

 すると、ハルスは、この携帯ドラゴンというゲームを一瞬で理解して、

「その課金ポイントが重要だな……ようするに金で強化パーツを買うってことだろ……そのポイントを買うための金に、手持ちの金貨がそのまま使えるのかどうか……」

「その辺が、現状やと、いまいちわからへんねんなぁ」

 喋りながらも、店に向かっていた一行。
 街のいたる所に店は構えられており、選ぶだけでも一苦労。
 テキトーに、近場の店に入ると、中は、祭りのクジ屋のようになっており、
 奥に店主が一人いて、その周辺に、将棋の駒のようなチップが山ほどおいてあった。

 チップには、特に何も書かれていないが、
 MDデバイスでスキャンすると、どのような効果がある強化パーツなのか一発でわかった。

「……一番安いのが……100MDPで、効果は『攻撃力を1%上げる』か……」

「MDP……ポイントの形式は一緒やな」
「そうだな……スマホ版だと、1円=1MDPだったが……」

 そこで、ゼンは、店主に、

「あのさぁ、あんた、MDPを入手する方法って知ってる?」

 言ってから、心の中でつぶやく。

(頼むから『MDP? なんだそりゃ』って言わないでくれよ……お前、MDPで商売してんだからな?)


「MDPを入手する方法は、大きくわけて三つある。この世界で入手したアイテムを売る。大会などのイベントに参加して賞金を得る。クエストをこなして対価を得る」


「……非常にAI的で丁寧な対応、ありがとう」

 感謝の念をつげてから、
 ゼンはイタズラ半分で、

「ところで、あんた、神様についてどう思う?」
「神様? なんだそりゃ」
「うるせぇよ」

 半笑いで言葉を返すゼン。
 約束されていた『お約束のやりとり』を経てから、

「ちなみに、MDPって、この金貨と交換できる?」
「できない」
「……はい、了解……」

 そこで、ゼンはハルスと目線をあわせ、

「というわけで、今は買えないな。完全に無駄足だ」

「……『価格』と『大体の上昇率』と『MDPの入手方法』が分かったんだ……充分な成果だろ」

 言って、ハルスは、さっさと店を出る。
 そのあとについていくゼンとシグレとセイラ。

 セイラが、

「ハル、これからどうする?」

 テテテっと、ハルスの袖をつかみながら、そう声をかけたセイラ。
 心なしか笑顔になっている。

「なんか、お前、楽しそうだな」

「うん、じつは、ちょっと楽しいなぁって思っているの……ハルが言ったように、このルールなら、私でも役に立てそうだし、痛い想いはしなさそうだし、それに、みんなで一つのことに向かって頑張っているなぁって感じられて、だから――」

「ああ、もういい。長い」

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