『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

33話 かったるい集団行動。


 33話 かったるい集団行動。

 護衛役のカルシィと、そんなカルシィの護衛役であるドコス・エーパの二名。
 そして、勝手についてきているボーレ。

 そんな、妙なメンツと行動を共にしているピーツは、
 現在、心の中で、

(だっるぅ……めんどくせぇ……集団行動うぜぇ……俺、こういうゲーム的なクエストは、独りでやりたい派なのに……)

 ブツブツと、文句をたれていると、
 そこで、

「キシャァ!」

 前触れもなく、森の奥から、電気をまとったオオカミがあらわれて、飛びかかってきた。
 存在値20ちょっとの『サンダーウルフ』。

 こんな近場では滅多に現れない、そこそこ強くて、なかなか危険なモンスター。
 『クア森林の浅層限定』で言えば、かなり最悪に近いエンカウント。
 だが、


「まあ、とりあえず、赤点は回避だな」


 カルシィは、ヒュンと細剣を振りながらそう呟いた。
 すると、サクっと首が飛んで絶命するサンダーウルフ。

 フーマー大学校の学内ランキング5位の超越者カルシィの実力はハンパじゃない。
 まだ10代と、かなり若いのに、その存在値は60をゆうに超えている。
 まだまだノビシロを残していながら、既に、各国の王族級。
 それがカルシィという天才少女。

「ピーツ、このサンダーウルフは、君の記録にしておけ」

「へ?」

「退学されても困る。この記録で赤点を回避しなさい」

「……はあ」

 『無理して断る』ほどの事でもないし、
 それに、断っても、どうせグイグイくるだけだろうと思い、
 ピーツはテキトーに、生返事をして、
 懐から、魔石を取り出し、それを、サンダーウルフの死体に当てた。

 すると、サンダーウルフの死体から、微量の魂魄が放出され、魔石の中へと入っていく。
 そして、残りの大本の魂魄は、カルシィの中へと入っていった。

 ピーツが使った魔石は、入学式で配られるものであり、
 フーマー大学校に属する者なら誰でも持っている。
 色々な記録等を残せるようになる、かなり便利で高性能なマジックアイテム。

 その背後では、ドコスとエーパも、サンダーウルフを狩っていた。
 どうやら、群れだったようで、
 ピーツたちは、5体のサンダーウルフに囲まれていた。

 本来であれば、メチャメチャ危険な状況。
 冒険者であっても、王族級でなければ、かなり苦労する局面。
 だが、ドコスとエーパも相当な実力者で、その存在値は50台と凄まじく高いので、サンダーウルフ数匹くらいなら余裕で対処していた。

 学内ランキング上位20名は、全員、存在値50を超えている。
 存在値50といえば普通に王族クラスなのだが、
 そのランクの者がごろごろいる特殊機関。
 ――それが、フーマー大学校。
 世界最強の国家が有する世界最高学府。


 ちなみに、ボーレも、

「よいしょっと」

 サンダーウルフ程度なら、楽に狩っていた。
 魔法を込めた鈍器で、サンダーウルフの頭を一発で砕く。

「はい、赤点回避~」

 鼻歌まじりに、サンダーウルフの魂魄を魔石に収めているボーレに、ピーツが、

「驚いた……先輩、意外と強いんだな」

「……あのな、後輩……俺は腐っても、フーマー大学校の8年生だぞ。サンダーウルフくらい狩れるっての」

 フーマー大学校の上級生だったら、全員サンダーウルフ(存在値20)を狩れるかというと、決してそうではない。
 学生の中には、『戦闘技術が低いから、冒険者試験ではなくフーマー大学校を目指した』という者も大勢いる。
 その手の者達は、サンダーウルフにも、まあまあ苦労する。

 つまり、ボーレは『そっち系』の学生ではないということ。
 というか、むしろ、その真逆で、
 かなり戦闘に特化したタイプ。



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