『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

28話 神様になれる器。


 28話 神様になれる器。


(携帯ドラゴンの力に頼りっきりっていうんじゃ情けないから、俺自身も鍛えたいな……いつか、携帯ドラゴンくらい強くなって……最強タッグ的な……それで、『無敵の龍神』を名乗るみたいな……『究極の龍を使役している最強の龍騎士』……いいねぇ……サイズ的に、ちょっと騎乗は無理だから、騎士じゃなく、召喚士的な感じだろうけど……まあ、その辺の名称はおいおい考えていくってことで……)

 などと考えていると、そこで、扉がガチャっと開いて、

「あれ、ピーツ……いつ帰ったんだ?」

 ルームメイトで二年生のマークが入ってきて、そう言った。

 間髪いれずにピーツは、

「ついさっきです」

 と、丁寧に答える。
 マークは、ピーツに対して、ルームメイトとして、それなりに『普通(別に良い先輩というわけではないが、悪い先輩でもない)』に接してくれている、きわめて普通の先輩。
 なので、ピーツも、彼に対しては、最低限の敬意を払う。

「ちょっと図書館で寝てまして……」

 というピーツの返答を聞くと、マークは、親指で扉の向こうを指さしながら、

「ババア(寮長)がキレてたぞ」

「は? なんで……ですか?」

「今日のトイレ掃除、お前だろ? 『サボりやがったな、あのガキ』って、めっちゃキレてたぞ。ウゼェから謝ってこい」

 言いながら、梯子(はしご)を上って、上のベッドに寝転がるマーク。

 マークの言葉を受けたピーツは、頭を抱えて、


「うぉおお……完全に忘れてた……だりぃ……」


 一度深いため息をついてから、重い腰をあげる。

 と、そこで、ピーツは、
 『トイレ掃除をしなかったという理由で、今からオバハンに怒られにいく自分』に対して、

(神様になれる器じゃねぇなぁ……)

 なんて事を思った。



 ★



 この日行われる『龍試』の内容は、大学校とフーマー東方の境にある『クア森林』で『モンスターを狩ること』と、かなりシンプル。
 概要はシンプルだが、その内容は激烈。

 クア森林は、フーマー島の中でも、最高位のモンスターがウジャウジャしている大森林で、奥に行けばいくほど高ランクのモンスターが出てくる魔窟。
 最深部になると、存在値30を超えているバケモノもゴロゴロ出てくるという危険な森。

 何百年に一回という割合ではあるものの、存在値100近い『古龍』が沸いて暴れる事もあるという、常軌を逸してヤバい大森林。

 強いモンスターが出現するというだけではなく、ヤバいダンジョンのように、高位の罠が自動発生する事でも有名。
 常に高レベルの次元ロックがかかっていて、転移等で逃げかえることも出来ないという厄介なオマケつき。
 危険度がハンパではないため、狩り場としては使えない危険地帯。
 当たり前だが、基本的には立ち入り禁止。
 上の許可が下りないと足を踏み入れる事すら出来ない。


 そんな森で試験が行われるという、この異常。


(頭おかしいな、この学校……)


 集合場所であるクア森林近くまでやってきたピーツは、
 あらためて、自分が通っている学校の異常性を再認識した。


(こんなヤバい森の奥深くまで入って、よりランクの高いモンスターを狩った上位5名が合格。成果が無かったもの、もしくは、存在値20以下のモンスターしか狩れなかった者は退学……)


 退学の基準は、そこまで高いワケではない――と素人なら勘違いする。
 それは、間違いである。
 ランク20以上のモンスターは、まあまあ深くまで入らないと狩ることができない(近場でも出てくることはあるが、確定でランク20のモンスターとエンカウトしようと思うと、ある程度、深くまで進む必要がある)。

 『アホほど自動生成される罠』をかいくぐり、大量の、『厄介なモンスター(クア森林では、デバフをふりまいてくる系が多いので、存在値が低いモンスターも油断ならない)』を処理しつつ、奥へ、奥へと入り、どうにか、存在値20以上のモンスターを狩って、そこから、元の場所まで帰らなければいけない。

 それが、今回の龍試の最低限!!
 頭、おかしい!



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