『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……
96話 見えてきた。
96話 見えてきた。
「しばらくは、指でなぞるだけで殺しまちゅ。これなら、オイちゃんから『武を学ぶこと』は出来まちぇんよねぇ。さて、オイちゃんと『まともに闘えるようになるまで』に、いったい、あんたは、何回死ぬんでちょうかねぇ」
と、ニタニタ笑いながら、そう言いつつ、
また、サクッとP型センエース1号を殺そうとするシューリ。
しかし、その動きに合わせて、
P型センエース1号は、
「――少し、分かった」
そうつぶやいて、シューリのナメた攻撃を、
柳のように、スっと回避してみせた。
「……っ」
目を見開いて驚くシューリ。
そんな彼女の反応を受けて、P型センエース1号は、
ニっと、黒く笑い、
「……くく……分かってきたぞ。お前の武……」
「はぁ? 武なんて見せてないんでちゅけど」
「別に、丁寧な指導や、ド直球の武を体感しなくたって呼吸は盗める。お前の足運びや神気の運用をみるだけでも充分勉強になるんだよ」
「……」
「おそらく、今のお前は、『センエースとの稽古』をベースにして、『現状』をとらえているだろう。その認識は、不快だから、今すぐにあらためろ。あいつには才能がない。成長チートは、すべて、レベルを上げる事に特化していた。だが、俺は違う。俺の成長チートは、戦闘力を上げる事に特化している……だから、丁寧な手ほどきなんざ受けなくとも、『見る』だけでも充分に盗める……あえていおう。俺は本物より高性能な、真のセンエースなんだよ!」
「なるほど……どうやら、気合いを入れ直す必要があるみたいでちゅねぇ……」
そこから、シューリは、なるべく『神髄』は見せないよう、
しょうもない邪道や初見殺しを連発して、
基本すら盗ませずに殺しつくそうと画策した。
その動きは、本来の『正道』とはまったく違う横道だったが、
しかし、それでも、ハンパじゃなく美しかった。
この領域まできてしまうと、どうあがいてもブサイクではいられない。
ただの移動でも美しく見えてしまう。
どれだけ、手ぬかりなく手を抜いたとしても、
そこには、洗練された美が薫る。
「俺は、お前よりも、まだまだ弱い! ただ、お前はあまりにも美し過ぎる! それが仇となる! お前という領域まで届くための道は、すでに見えた!」
「それは、勘違いというヤツでちゅよ。オイちゃんが立っているココは、そう簡単に届く場所ではありまちぇん」
「だろうな! お前は強く美しい! しかし、だからこそ、俺も輝く!」
シューリの武は、見る者全てを魅了した。
圧倒的な美。
息をのむ高み。
その場にいる誰もが呆けて、目を見開く。
――その途中で、カティが、つい、
「……美しい……」
ボソっとそうつぶやいた。
圧倒されている。
神を見ている目。
きらきらとした憧憬の目。
――今回の騒動で、カティも神の領域に至った。
壁を超えて、強大な存在の一つとなった。
だからこそ、より深く理解できる、シューリの美しさ。
もちろん、『超神にもなっていないカティ』に『シューリの美しさの本質』が理解できるがずがない。
だが、本質が分からずとも『とてつもなく美しい』という事くらいは分かる。
カティは震えた。
あまりに美しさに心が痙攣している。
そして、その『震え』は、カティだけのモノではなかった。
誰もが、シューリの美しさに魅了される。
圧倒的な高み。
知らなかった世界。
狂ったように華やかな舞台。
そんな世界で、P型センエース1号は、泥臭く、美しいシューリにくらいつく。
みっともなく、かじりついて、必死に武を学んでいる。
執念のこもったP型センエース1号の泥臭さは、
シューリの美とはあまりにも対照的だった。
薄汚れていて、ひどく醜い――が、しかし、
だからこそ、掴める『解』というのもあって――
「……掴めてきたぞ、神闘……」
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コメント
祝百万部
確かに、力だけをみたら、勘違いしてもおかしくないかもw
ただ、根本的に、『シューリという上司』に対して好感情をもっている人が少ないので、『シューリ』が『実は神帝陛下でした』という結果は『勘弁してほしい』――と思う割合の方が多いでしょうねw
キャベツ太郎
カティとか、センエース本人を見たことがない面々はシューリのことを神帝陛下だと勘違いしそうw