センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

79話 転生ストック。


 79話 転生ストック。

「消えてろ、ジジイ」

 そう言ってから、ゾメガの頭部を掴み、地面に向かって投げつけた。
 またもや、ドカンと大きな音が響く。

 動けなくなったゾメガを見下ろして、


「……ふぅ……」


 と、静かに息を吐くP型センエース1号。

 完全かつ圧倒的な勝利。
 三至を相手に、完璧な勝利をおさめたP型センエース1号。

 だが、

(……くそ、くそ、くそ! 想定外の出費だ……シューリに削られる分も考えると……ヤバい……足りない……くそぉおおお……どちくしょう……)

 無限転生・改には、無数のルールがある。
 特に厳格なルールは、転生できる回数。
 明確に『最大10回』とか『最大100回』とか絶対的な回数が決まっているワケではない。
 まず、前提として、『存在値100の時に転生する』のと、『存在値100万』の時に転生する『コスト』が同じな訳がない。

 ――お湯でヒタヒタになった風呂を想像してもらいたい。
 最初の方は、小さじ一杯で転生できたが、だんだんバケツが必要になってくる。
 そんなイメージ。


(センエースに勝とうと思えば、最低でも50回は転生する必要がある……だが、このままでは30回も厳しい……)


 センエースと闘う時には、膨大な存在値になっているだろう。
 つまり、転生に必要なバケツのサイズもかなりのものになるということ。

 ハッキリ言って、序盤に『百回』死んでも大してゲージは減らない。
 だが、積もれば後半の『一回分』にもなる。
 現在で、すでに、5回も死ねば、後半の一回分に相当するようになった。

 もはや、そう簡単には死ねない領域にきた。
 細かいコストを抑えていって、『センエースと闘う時』のために、ストックを最大で用意しておくこと。
 それが、最も重要な事だった。
 しかし、

(死にすぎた……足りない……今のままじゃ……命ストックが……足りねぇ!)



「――なにを悲観しているのか知らんが! スキだらけじゃぞ、ガキィ!」
「ナメられたものですね! まだ、貴様は、ボクの全てを見ていない!」



 ふいに、P型センエース1号の背後に現れたゾメガと平。
 両者ともに、地面にたたきつけられ、大ダメージを負っていたはず。
 なのに、関係なく!

 これは、残りの魔力とオーラ全て賭した暴走!

 『せめて、もう一撃だけでも』という執念!

 ボロボロの様相で、しかし最後まで諦めないその姿。
 それは、まさに、センエースの意思を継いだ者の姿!


「――\/\ 【エニグマミーティ――」
「――平熱マンスラッ――」


 魔力とオーラの異常消費による『自己の消滅』をも覚悟で、
 尖った無茶をしようとするゾメガと平熱マンに、
 P型センエース1号は、

「うるせぇ、ザコどもがぁあ!」

 ゾメガに対しては、思いっきり膝を入れ、
 平熱マンに対しては頭突きを顔面のど真ん中に叩きこむ。

 両者の腹部と顔面に、ガツンとメリこんでいく高威力の衝撃。

「うぐぼぉお!」
「がはっ!」

「センエースにかぶれているだけのカスがぁ! はしゃいでんじゃねぇ! 確かに、想定外に強かったが、てめぇらなんざ、しょせん、それだけのザコ! 俺に勝てるわけねぇだろ。ナメんなよ、くそぼけ。抗えないんだよ、俺って絶望には! 俺の前では、『全ての絶望』が絶望する! それが、この世界に刻まれた、たった一つの真理! つまりはぁ! 俺が! 俺こそが! センエースなんだよぉおおおおおお!」

 『三至が想定外に強かった』せいで『余計にストックを消費してしまった』という、
 その過度なイラつきを、ゾメガに対して理不尽にぶつけるP型センエース1号。

コメント

  • 閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

    謎なことがおきているようですねw
    アイコン変え、認識しました('ω')ノ

    質問に答えておくと、サイとユンは、いまも、アダムの中にいます。
    ただ、表立って登場するかというと……ないかもw
    絶対ではありませんが('ω')

    1
  • キャベツ太郎

    何故なりすましなんかするんだ??
    メリットねぇだろ?

    1
  • キャベツ太郎

    一つ言おうこれは俺ではないw

    2
  • キャベツ太郎

    サイとユンリルの再登場は...ない?

    1
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